155 まさかの事実が判明……!?
皆で叫んだ人を見ていると、その人がこちらを指差しながらプルプルと震え出した。
「ねえ、まるもっちーのこと指差してない?」
ライラさんがそう言いながら、俺を肘でこついてくる。
うう、確かに俺を指差している気がするぞ。
でも顔に見覚えがない。全く知らない人だ。
一体誰なんだと頭を捻らせる。だけど思い当たらない。
そうこうしているうちに、叫んだ人がこちらへ駆け寄って来て、勢いよく土下座した。
「ははぁあああ!」
限界まで体を下げ、頭を地面に擦りつけ始める。
「ど、どうしたんですか? 頭を上げてください」
もう何が何だか分からない。
そもそも土下座される理由が思い当たらない。
「もしかして、人違いじゃないですか?」
誰かと勘違いしているんじゃあないだろうか。
「貴方の姿を見間違えることなどあり得ません!」
そう言って土下座を継続する。
異様な光景が続いたせいか、周囲に人が集まり始めた。
これは恥ずかしいぞ!
「いいから、頭を上げてください。人が来るので困ります」
「分かりました。貴方がそうおっしゃるなら……」
土下座の人が渋々といった感じで立ち上がった。
「俺はまるもっちーと言います。貴方は?」
「リチャードと言います!」
お互いに自己紹介をして、相手の名前を聞き出すことに成功する。
しかし、知らない名前だ。一体誰なんだ……。
「あの、初対面ですよね?」
と、思い切って尋ねた。会っていたら悪いけど、覚えていないんだよな。
「はい!」
リチャードさんが歓喜の表情で元気よく返事する。
って、やっぱり初めて会ったのか。
「ええ!? じゃあなんで土下座なんてしたんですか」
わけが分からないぞ。
「それは貴方が救世主様だからです! 我が救いの神よ!」
うう、宗教系か何かか?
「どういうことでしょうか。俺にはさっぱりなんですけど……」
「私、シプレの街に店を持っているんですよ」
「はあ……」
「しかし、街全体がブラックドラゴンの被害を受けた影響で、街の需要に変化が起きてしまいました。そのせいで私が扱う商品はシプレの街では売れ行きがよくなくなってしまって、思い切ってミルティユの街に移転する事にしたんです」
「そうだったんですね」
リチャードさんの話に相づちを打つも、話が見えてこない。
全然俺と関係ない話の気がするんだけど。




