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140/415

140 市場でとんでもないものが販売されていた!?

 

 翌朝、早めに起床し、ミルティユの街へ向けて走り出す。


 ミルティユの街へは以前知り合ったジョゼさんを訪ねるために向かっている。


 錬金術師であるジョゼさんの助手となり、錬金術を教えてもらう予定なのだ。


 俺は森を切り開いて作られた街道の景色を楽しみながら、ゆっくり走っていた。


 もう少し速度を上げれば、今夜にも街に着く自信はある。


 だが、深夜に着いても門が閉まっていて入れない。


 そのため、遅めの速度を意識して走り、到着時刻の調整を行っていた。


 シプレの街から逃げるようにして出てきたので、時間調整がうまくいっていないのだ。


 その日は早めに野営地を決めて、一泊。


 翌日は早朝に起き、出発を早めた


 これで午前中にミルティユの街に着くことができる。


 まだ早朝であったが、走っていると馬車などと擦れ違うことが意外に多い。


 シプレの街まで街道が通れるようになったのが最近なので、人の行き来も活発なのだろう。


 以前は不通だった街道が復活したことを実感しながら走っていると、ミルティユの街が見えてきた。


 丁度開門したばかりの様子で、人がぞろぞろと街へ入っていくのが見える。


 俺も列に並んで手続きを済ませて門を潜る。そして農地を抜け、街へと入った。


 複数の街へ行って分かったが、どの街でも農地から住宅街のある次の門までは、無料の駅馬車が出ている。今回はその馬車を利用せず、走って門まで向かうことにした。


 その方が速いしね。


 第一の門から本来の街がある第二の門までは距離があるため、到着した時間は昼前。


 丁度店が開く時間帯で、街全体が活気づき始めるところだった。


「あいかわらず不思議な物が沢山ある街だな」


 空飛ぶ横断幕や、電光掲示板のような看板を見ながら呟く。


 錬金術師の街と言われるだけあって、魔道具があらゆるところで利用され、独特の華やかさがあるな。


『マスター、マスター。あれは何?』


 と、ミミに握っていた手を引っ張られる。


 ミミが見ている方に視線を向ければ、屋台に軽い人だかりが出来ていた。


 屋台の側に居るのは子供や親子連ればかり。


 なんだろうね、と返しながら屋台へ近づく。


 側へ寄ると飴を売っている屋台だと分かった。


 商品の種類が豊富で、色とりどりに透き通った飴は宝石やガラス玉を連想させた。


『綺麗な玉だね』


 陳列された様々な飴を見て、ミミが目を輝かせる。


 飴を知らないせいか、食べ物とは分かっていないみたいだ。


「ちょっと並んで買っていこうか」


 と列に加わり、順番を待つ。


 しばらくすると俺たちに番が回ってきたので、店員さんに注文した。


「すいません、各色二つずつ全部下さい」


「あいよ。毎度あり!」


「ありがとう」


 威勢のいい店員さんから飴が入った紙袋を受け取り、お金を払う。


 屋台から離れながら紙袋を開き、飴をひとつ取り出す。


「これはね、お菓子なんだ。舐めて溶かすんだよ。かみ砕かないように気をつけてね」


 そう言いながら飴をミミに進呈。


『ふーん、食べれるんだね』


 両手で飴を受け取ったミミは珍しそうに見つめていた。


「そうそう、こんな感じ」


 俺が飴を口の中に放り込み、コロコロと転がした後、片側に寄せて頬を膨らませてみせる。


 ミミもそれに倣って飴を口の中へ放り込んだ。


『甘いね! オレンジの匂いがするよ!』


「色で味が違うんだろうね」


『んふー♪』


 飴を舐め、顔を蕩けさせるミミ。ご満足いただけたようだ。



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