138 願い事でもらったスキルの性能がとんでもないものだった!?
俺は出来上がった料理を菜箸でひと摘まみ。
失敗していないか確認のために味見をしてみる。
「こんなものかな」
うん、上出来だ。
携帯コンロの火を止め、ベーコン入り野菜炒めをテーブルに並べた皿へとよそっていく。
次に土鍋で炊いたご飯を盛り、味噌汁をよそった。
出来上がったばかり料理から湯気が立ち上り、辺りに旨そうな香気を放つ。
『美味しそうだね』
テーブルの端から顔を半分だけ覗かせたミミが、料理をじっと見つめながら言った。
「ちょっと暗くなってきたな。ミミ、明かりをお願いできる?」
『任せて! 魔力照明!』
俺の頼みを聞いて、ミミが魔法名を唱えてくれる。
すると、サッカーボール程の光の玉が頭上で滞空し、周囲を明るく照らした。
ミミの得意とする光属性の魔法だ。
といっても、今使える属性魔法はこの照明魔法のみ。
まあ、とても重宝しているし、これだけでも十分なんだけどね。
「ちょうどいい明るさだ。本当に便利な魔法だよな」
『んふ〜♪ これで暗くないよ』
「ありがとうね。それにしても、創造補助スキルのお陰で、随分楽に料理できるようになったな」
と、明るく照らされた料理を見て、一人頷く。
今回作った夕食は女神様から貰ったスキルを用いてレシピを調べた。
スキル、創造補助。
作りたい料理を思い浮かべてスキルを発動すると、作り方が分かるスキルだ。
俺のレシピ本が欲しいという願いが叶わなかったため、代用として授かったスキルである。
初めてスキル名を聞いたときはレシピが分かるだけなのに偉く仰々しい名前だなと思ったが、非常に重宝している。
だが、折角レシピが分かっても俺の腕が追いついていない。
まだまだスキルを活かしきれていないのが現状だ。
作り方が分かっても、包丁の扱いが急にうまくなったりはしないんだよな……。
火加減なんかも、環境や食材をカットした大きさによって微妙に違うし。
だが、そういった課題がハッキリしていると燃えてくる。
ご飯は結構うまく炊けるようになってきたし、この調子で頑張って上達していきたい。
などと考え事をしていると、対面の椅子に座ったミミが不思議そうに首を傾げた。
『マスター、食べないの?』
「あ、ごめんごめん。じゃあ、食べよっか」
『わーい!』
「いただきます」
『いただきまーす』
二人、食前の挨拶をして食べ始める。
『美味しいね♪』
料理を口にし、ミミが笑顔を見せる。
美味しそうに食事をするミミはとても幸せそうだ。
「女神様に作り方が分かるようにして貰えたから、これから色々作っていくね」
『ッ!? ポテトチップスは作れますか!?』
俺の言葉に驚いたミミが勢いよく聞いてくる。
そういえばミミはポテトチップスが好きだったな。
「うん。それくらいなら頑張れば作れそうだな」
さすがにポテトチップスなら今の料理の腕でもいけるはず。
今度作ってあげよう。
『じゃあね、ベッドは作れますか?』
ミミの質問が急に妙な方向に飛んでいく。
野営する時はベッドで寝ないからかな?
俺にはアイテムボックスがあるから、買って持ち運びしてもいいかもしれない。
「う〜ん、料理じゃないのは無理かなぁ」
と、言いつつもベッドを思い浮かべ、創造補助スキルを発動。
するとあっさり作り方が分かった。
あれ?
とはいっても、作り方は分かったが、高難易度過ぎて絶対再現出来ない。
いやそれより、ベッドは料理じゃないのに、なんで作り方が分かったんだ?
と、適当に枕、照明、コンロと思い描いて、創造補助スキルを発動してみる。
すると全ての作り方が分かった……。
このスキル、料理限定じゃないぞ。
創造補助……。
その名の通り、作り出すことを補助するスキルということなのか?




