第80話4-11アイミ乱舞
魔王が覚醒した幼馴染のミーニャを連れ戻す為にソウマたち姉弟は今日も何処かをさ迷っています。
お姉ちゃんに鍛えられながら果たしてソウマはミーニャを連れ戻せるのか!?
熱い姉弟(師弟)の物語です。
ぴこぴこぴこっ!(アイミ談)
「はぁっ! 【煉獄相竜牙】!!」
セキさんはアークデーモンに今まさに倒されそうになっているティナ軍の兵士の前に立ち塞がりそれを引き裂く。
「あ、あなたは!?」
「手助けに来たわ! 私はセキ、赤竜のセキよ!!」
セキさんがそう言った途端周りの兵士もわっとなる。
「セキ様だと!? 『爆竜のセキ』様か!?」
「助かったぞ! 増援だ!! 『爆竜のセキ』様が来られた!!」
おおぉっ!
ティナ軍の兵士たちが一同に声を上げる。
「風の精霊王よ!!」
上空ではシェルさんが精霊魔法でアークデーモンたちを切り刻んでいる。
まるで竜巻のようなそれは上空を埋め尽くしていたアークデーモンたちを紙屑の様に切り刻んでいく。
「あれは『女神様の伴侶』シェル様だ!! シェル様も応援に駆けつけてくれたぞ!! 皆の者剣を振れ! 声を上げよ!! 我らに女神様の加護を!!」
うぅぉおおおおおおぉぉぉぉっ!!
シェルさんの存在に気付いた誰かがそう言うと周りの兵士たちも大声を上げ剣をかかげる。
「【回復魔法】ですわ!!」
遅れて駆け付けた僕たちもすぐに怪我した兵士ややばそうな所に援護に入る。
「はぁっ! ガレント流剣技四の型、疾風!」
姉さんは近くにいたレッサーデーモンたちを旋回する刀の錆にして切り倒していく。
ぴこっ!
アイミも両手を光らせ魔光弾を連発させて発射したり乱戦のど真ん中に飛び込んでアークデーモンたちを殴り飛ばし光の粒子に粉々にして消していく。
「よっと! 流石に数が多い!」
ざんっ!
僕はエマ―ジェリアさんが【回復魔法】をかけている所に襲いかかろうとしたレッサーデーモンを切り倒す。
僕にだってレッサーデーモン位なら倒せる。
「ソウマ君、こっちもお願いですわ! あの兵士が危ないですわ!!」
「はいっ!」
僕はエマ―ジェリアさんに言われそちらを見ると数人倒されたところにレッサーデーモンたちが襲いかかって来ていた。
急ぎそこへ「操魔剣」を使って襲い来るレッサーデーモンの爪をショートソードで受け止める。
すぱっ!
でもこのショートソードなんでも切っちゃうから受け止めたままレッサーデーモンの腕も切り落としちゃった。
僕はそのままスパスパとレッサーデーモンたちを切り裂く。
「ソウマ! 大丈夫?」
ざしゅっ!
姉さんが大量にレッサーデーモンを切り裂く。
姉さんの一撃で数体が一気に切り裂かれるから流石だ。
「数が多い! って、ソウマ気を付けて!!」
姉さんの警告が飛び交い見れば大きな影が僕に向かっていた。
どがっ!
がんっ!
『少年、危ないから引け!! くっ! こいつ!!』
黒い影は魔人だった。
僕にはとても太刀打ちできない相手だったけど目の前に大きな「鋼鉄の鎧騎士」が割り込んで魔人の攻撃を防いでくれた。
「うわっ、ありがとうございます!」
僕はお礼を言いながら姉さんの近くまで引く。
しかしその後ろからはさらに数体の魔人がやって来ていた。
「魔人をこんなに操るとは! でもっ!!」
そう言って姉さんは魔力を高める。
「はぁっ!! ガレント流九の型、九頭閃光!!」
カッ!!
姉さんの必殺技九頭閃光が放たれる。
九つの光は一斉に魔人に吸い込まれ魔人を倒す。
ドがぁガガガガガッ!
どばったーん!!
『なっ!? あの魔人を一撃で!?』
「鋼鉄の鎧騎士」に乗っていた人が驚きの声を上げる。
魔人は姉さんの技を受けて倒れながら光の粒子になって消えていく。
しかし!
「流石に一度に数体来られちゃたまらないわね? アイミ! 同調よっ!!」
ぴこっ!!
姉さんがそう言って向かい来る魔人たちと対峙する。
アイミがすぐに姉さんの前に来てその背中を差し出す。
「『同調』! 行くわよアイミ!!」
ぴこっ!!
アイミの背に手をついた姉さんの手から魔力が流れ込む。
途端にアイミがうっすらと輝き始め「どんっ!」と大地を蹴り飛び上がる。
アイミの関節からは炎が燃え上がり漏れ出している。
「喰らえ! ガレント流無手三十六式が一つチャリオットっ!!」
ぴこっ!!
アイミから炎が一気に噴き出し魔人たちの中に体当たりをかます。
そのまるで隕石が落ちたかのような衝撃は魔人たちをなぎ倒し吹き飛ばす。
「まだまだぁっ! 喰らえ、三十六式が一つバトルアックス!!」
次いでアイミを宙高くジャンプさせまだ起き上がっていない魔人に回転かかと落しをする。
直撃を喰らった魔人は体を真っ二つにして光の粒子になって消えてしまった。
「凄い!」
僕は姉さんがアイミと同調をしてアイミを操り魔人たちと戦う様を見て驚く。
「圧倒的ですわ! これならいけますわ!!」
【回復魔法】で負傷した兵士たちを治していたエマ―ジェリアさんもその手を止め姉さんの戦いを見る。
『き、君たちは一体何者なんだ?』
「鋼鉄の鎧騎士」で僕を守ってくれたその人は思わず機体を止めて扉を開き姉さんのその戦いを見る。
「ぼくの姉さんです! 世界最強の姉さんなんです!!」
思わず僕はそう言ってしまうのだった。
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