281話 カーゴ遺跡へ その2
「この魔物も大したことはないな……外れだ」
「え、ええ……」
私はシグルドさんに倒された魔物を横目に彼の後を追っていた。今の魔物も大きさとかでは以前のエコリク大森林で見たウェアウルフと変わりないように見えるけど……シグルドさんから見れば雑魚同然のようだ。まあ、ウェアウルフ自体はカミーユも雑魚とは言ってたけどね。
「でも、ここってグリフォンクラスの魔物は出ないところなんですよね? シグルドさんの御眼鏡に適う魔物って出て来ないんじゃ……」
この人は確か、以前の活躍でグリフォンを一刀両断したらしいからね。あれ以下の魔物は全部雑魚になるのは仕方のないことだった。
「稼ぎの面でも大したレベルじゃない。まあ、俺の感覚での話だが……」
今のところ、シグルドさんは倒した魔物の素材は全て無視していた。今のところ、稼ぎは0ということになるけれど……今まで倒した魔物、数十体の素材を鑑定したらどのくらいになるんだろうか?
「あれ? アミーナさんの宿屋に余裕で泊まれそうな額になるのでは?」
素人の私の判断だからなんとも言えないけれど……全部合わせれば、1万スレイブにはなりそうだった。1万スレイブっていえばアミーナさんの宿屋の最高級の部屋と同じ値段……私が最初に設定したエリクサーの額と同じよね? 普通の家庭の1か月分の給料になりそうな額だ。
「あの……1万スレイブくらいにはならないんですか? あの素材集めれば……」
「まあ、そのくらいには余裕でなるだろうが……お前は1万スレイブをせこせこと集めたいのか?」
「えっ……?」
あ、これは稼いでいる人の感覚だわ。庶民の1か月分の給料なんて目じゃないって言いたいのね。素材を細かく分けて集める作業が面倒くさいのだろうか。う~ん、確かにシグルドさんは細かな作業とかはしなさそうだけれど……彼が今までに端数として切り捨ててきた物を集めれば何万スレイブになるんだろうか? 彼からすれば大したことなくても、普通に考えれば馬鹿にならない額になりそうだわ……。
「シグルドさんの金銭感覚はおかしいわ……うん、おかしい」
「え~~? 1日で200万スレイブ以上を売り上げたアイラの金銭感覚も同じだと思うけどな~~?」
「え? なによマリアベル~~!」
「だってさ~~!」
私はほら、1スレイブの重みを知っている庶民だし? 大丈夫よ……金銭感覚が鈍ってるなんて決してないはず。なんかマリアベルが乾いた目で見てるけれど、気のせいよ気のせい! 私は正常!




