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276話 師匠 1


(エディ・スミス視点)


「シグルド、しばらくぶりじゃな」


「そうですね、師匠。まさかこんな場所で会うとは思っていませんでした」


「シグルドさんの……師匠……」



 100年以上楽に生きているアルフォード・レンドラーさんに出会えたことも感激だけど、それ以上にシグルドさんの師匠だったことに驚きを隠せなかった。まあ、シグルドさんの師匠ならこの人くらいしか務まらないだろうけどさ。


「ダークドラゴンを使役する者……ワシも長く生きておるが、当然そんな人間に出会ったことはないの。ふぉふぉふぉ、この歳になって驚きと遭遇するとはの」


「グルルルル……」


 ダークドラゴンはアルフォードさんを見てどう思っているのだろうか? やはりタダの餌としか見ていないのか、一目置いているのか……どっちだろう。そんなことを考えていると彼と視線が合った。


「そちらは確かエディじゃったかな? 知っておるぞ」


「僕をご存知なのですか?」


 これはちょっと意外だった。まさか天下の冒険者の一人であるアルフォードさんに名前を覚えてもらっているなんて。


「シグルドの奴が弟子らしき者を持ったというのは聞いておったからの。ふぉふぉふぉふぉ」


「師匠、コイツは別に弟子というわけでは……」


「ふぉふぉふぉ、そう固いことを言うでない。周りから見て師弟関係に映っていれば、それはもうその通りなんじゃぞ」


「はあ……そんなもんですかね」


「うむ、そんなもんじゃ」


 なにやら言い包められているシグルドさんがめずらしかった。ところで、マリアベルさんは……ダークドラゴンの「フェン」と戯れていた。


「じゃあね、フェン! また必要になったら北の大地に連れて行ってね!」


「グオオオオオ!」


 ダークドラゴンは大きな羽根を羽ばたかせたかと思うと大空に飛び去って行った。お別れを言っていたのかな。


「そうか、彼女が噂のダークドラゴンを駆る者じゃな」


「ええ、その通りです」


 アルフォードさんは楽しそうな表情をしていた。マリアベルさんのことも興味津々といった雰囲気だ。


「ふぉふぉふぉ、お主の周りは本当に楽しい人物が集まっておるの。奇跡の錬金術士も近くにおるのじゃろう?」


「アイラのことですか? まあ、いますが」


「一度、会ってみたいの」


「会うんですか? まあ、構いませんが……」


 アルフォードさんはノリノリな雰囲気でそう言った。アイラさんにも興味が出て来たのだろうか? なんだか不思議な印象の人だな……。

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