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269話 解決 2


「ナックさん……では、やはりあなたが……? そんな……」


「ほ、本当に済まない! この通りだ! 金に困っていたんだ……それで、ついオリバの儲け話に乗ってしまって」


 私は正直、ショックだった。最初、声を掛けられた時、同業者の人からお話を聞けると思ってワクワクしていたくらいだったから。素直について言ったら誘拐されて、身体まで奪われるところだったわけで。軽くトラウマモノの出来事である。


 クラフト商会に見限られたということには同情するけれど……それは私があそこに2号店を出店したからだろうし。


「それで同情して欲しいと? 大袈裟に土下座をしているけれど、そんなことで許されると思っているのか?」


 エディ君は全く同情している様子はなかった。それどころか、今にもナックさんをボコボコにしそうな雰囲気だ。黒いオーラみたいなものは消えたけれど、相変わらず誘拐犯への憎悪は大きいようだ。


「あ、あのさ、エディ君……」


「エディ、簡単に人殺しはするなよ」


「シグルドさん……?」


 エディ君はシグルドさんに向き直っている。


「お前はまだ若いから仕方ないが、感情に任せた人殺しはロクなことをならんからな。その男をぶっ飛ばしたい気持ちは分かるが、今は抑えておけ」


 まるでシグルドさんは自分に言い聞かせているようだった。昔、何かあったのかしら? エディ君の表情も普通に戻っていたし……暴走状態から解放してくれたシグルドさんの言葉は素直に聞いているのかもしれない。


「わ、分かりました……シグルドさん」


「ああ、いい子だ。ガキの頃は素直な方が出世するらしいぜ。俺の師匠からの受け売りだ」


 シグルドさんは満足そうな笑顔を浮かべていた。シグルドさんにしてはめずらしいかも……いつも笑うことなんてあまりないのに。それから……師匠がいたんだ。


「それで? こいつらはどうするの?」


「全員捕まえて神聖国に引き渡せばいいだろう。裁きをするのは俺達の役目じゃないからな」


「そうだよね、私達はアイラを助けに来ただけなんだから!」


「……」


 全員の意見が一致したようだった。エディ君も納得しているようだったし、一応は解決ということで良いのかしら? でも、今回は瘴気事件以降の大きな事件になってしまった。クラフト商会に見限られたという、ナックさんの店のことも気になるし……ナックさんはともかく、他の従業員に罪はないのに。一体、どうなってしまうんだろうか。


 それにエディ君の暴走状態という問題も出てきてしまった。この状態に関してはまだ完全な解決にはなっていないでしょうね。あの素直なエディ君があんな形相になるなんて……恐ろしさが上回っていたかもしれない。


 最後に私自身の護衛についての問題だ。これは何よりも優先して考えないといけないかもしれない。なんだか課題が多く残った事件だったわね……二度と体験したくない事件だけど。本当に怖かったわ。助けてくれたみんなには本当に感謝しないとね。

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