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268話 解決 1


「アイラさん! 僕の勝手な暴走に巻き込んでしまってすいませんでした! 本当にごめんなさい!」


 エディ君とシグルドさんは無事に戻って来た。エディ君はドス黒いオーラもなくなり普通に戻っていたので安心だ。いきなり謝罪された時はびっくりしたけど。


「エディ君、気持ちは分かるんだけど私は君に助けられただけだし。謝罪するなら別の人がいいと思うわ」


「あ、そうでしょうか?」


「ええ」


「なら、ええと……マリアベルさん、カミーユさん! 本当に申し訳ありませんでした!」


 エディ君はとても反省しているのか、その姿勢は見事だった。90度に背筋を曲げているし。


「えへへ、上手く戻って良かったね、エディ君! 私も安心したよ」


「マリアベルさん……」


「ま、これに懲りたら次からは注意することね」


「カミーユさん……すみませんでした」


 マリアベルもカミーユも特にエディを責めている様子はなかった。結果的には二人とも無傷に近いのだから当然なのかもしれないけど。この辺の態度は人によりけりかしら。


「それで、誘拐犯の方は?」


「全員、拘束しているよ! 一人を除いてね!」


「一人を除いて……?」


 残された一人というのは、私を空き地まで連れて行ったナックさんだ。


「当初のこいつの言い分と周りの犯人達の言い分が違うのよ。それで、拘束は保留になっているんだけど」


「そうなんですね」


「あ……私はその……!」


 エディに睨まれ戦意喪失気味のナックさんだった。確かにタイミング的にはおかしなことがあったけど、疑うにしては少し薄っぺらいかもしれない。


「ぐぐぐ……そいつも共犯なんだよ……!」


「お前は黙ってろ」


「くそ……!」


 誘拐犯の一人がナックさんを共犯だと言っている。シグルドさんに止められたけど、やはり事実なのだろうか?


「ナック・バルバロイ……アイラさんのお店から比較的近いところで薬屋を経営していますよね?」


「ほう、詳しいじゃねぇか、エディ」


「ええ、前に通ってたこともあるんで。あなたがアイラさんを攫う為に人気のないところに誘導したんですか? 正直に答えてください」


「そ、それは……」


 エディ君の言葉に明らかに動揺しているナックさん。先ほどのエディ君のやり取りを見ているせいか、ナックさんはさっきまでの言葉を発することはなかった。さっきまでは共犯者であることを否定していたのだけれど。


「どうなんですか、ナックさん?」


「す、済まない……! アイラの店が出来てクラフト商会からは見限られて……仕方なかったんだ!」


 ナックさんはエディ君の迫力に負けたのか、急に土下座をし始めた。嘘を吐き通すのは得策ではないと判断したのかしら。私にとってはとても残念な光景だった。


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