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249話 気まずい二人 1


「は~~い、どんどん買って行ってね~~~! アイラのお店では3大秘薬が安売り中ですよ~~!」


 相変わらずのマリアベルの接客だった。最早、エンゲージ2号店の名物と呼んでも差し支えない。彼女の元気な姿を見たいが為にここに足を運んでくれる人もいるとかいないとか。


「あの、マリアベル。とても元気な接客はいいんだけどさ……」


「どしたの、アイラ?」


「3大秘薬を安売り中っていうのはどうかと思うんだけど……」


「え~~? でも、事実じゃん」



 確かに現在は半額セール中としてアイテムを売り出している。それも私がネプトさんから教わった技法で3大秘薬などを量産した記念なんだけど。でも、それでもエリクサーなどは1万スレイブと高額だしエリキシル剤に至っては2万スレイブもしてしまう。


 半額セールとは言っても、1号店の通常価格と同じであった。3大秘薬に関しては。まあ、それでも喜んで購入してくれる人達がいるから、この半額セールは大成功と言えるんだろうけどね。


「アイラはもっともっと自分の才能を表に出した方が良いと思うんだ!」


「そ、そうかな……?」


「そうだよ! こんなにもエリクサーや蘇生薬が並んでいるお店なんて他にないだろうし、目立つのを恐れたら駄目なんだよ!」


「う、う~ん……」


 マリアベルは良かれと思って言ってくれるんだろうけど、私としてはそこまで目立つのは好きではないかもしれない。世界一のお店にするっていう目標とは矛盾してしまうけど。


「うわぁ……本当にすごいや……信じられない」


「お邪魔するぞ、二人とも」


 そんな時、私とマリアベルの前に現れたのはアルファさんとエディ君だった。


「エディ君! それにアルファさんまで」


「少し品揃えをエディに見せたくて寄ってみたんだ。彼に見せてやってもらえるか?」


「は、はい。それは構いませんけど」


「すみません、アイラさん……」


 ちょっとだけ気まずい雰囲気になりそうだった。エディ君はなんだか照れているようだし。やばい、なんだか私も照れて来ちゃった……かも。


「すごい品揃えになっていますね、アイラさん」


「そうかな? 種類は前のままで3大秘薬の在庫が増えた感じなんだけど」


「3大秘薬の在庫が増えた……それがまず信じられないです……」


 エディ君は本当に驚いているようだった。私の考えていることと、エディ君の考えていることでは差異があるのかもしれないわね。もちろんこれは私だけの力ではない。ネプトさんの教えや、シグルドさんとマリアベルからの稀少素材の仕入れという恩恵があるからだ。


 私だけの力だったら、とてもこれだけの数の薬は作れなかった。私が謙虚さを忘れないようにしているのはその為でもあったりする。常に人々との繋がりを大切に感じながら向上していきたいと思っているから。


「私だけの力ではないから。褒めてくれるのは嬉しいけど」


「はは、アイラさんは凄いですね。これだけの偉業を成し遂げながら、いつもと変わらない雰囲気なんですから」


「そんなことは……」


 エディ君は素直に私のことを褒めてくれているみたいだった。彼のこういうところには惹かれている自分がいるかもしれない。参考にしたいというかなんというか。


「ふむ、なかなか良い雰囲気みたいだな」


「そうですよね、アルファさん。ヒューヒュー!」


 しまった……いつの間にかアルファさんとマリアベルにからかわれていたわ。エディ君はさらに顔を赤らめているし……はあ、なんて言い返そうかしら。


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