245話 エディのお願い 2
(シグルド・バーゼル視点)
「そっかそっか! エディ君は私達のパーティの入りたいんだね!」
「はい! 色々と勉強をさせていただければと思っています!」
「ふ~ん、そっか。なるほどね~~~勤勉だな~~!」
俺はエディの頼みを滑稽に考えていたが、マリアベルは勝手に話を進めていた。
「どうする、シグルドさん? 私達のグループに加えてあげよっか?」
「は? 何を言っているんだ、お前は……」
マリアベルはまるで俺達がパーティを組んでいるかのような口振りだ。さらにこいつは話を続けた。
「シグルドさん的にもエディ君は興味あるでしょ? なら、私達のパーティに加えてあげようよ! きっと楽しくなると思うけどな~~!」
「本当ですか? 加えていただけるならとても嬉しいです!」
はあ……なんだこいつらは。俺は自然と溜息が漏れてしまっていた。
「待て、勝手に話を進めるんじゃねぇよ……」
「ど、どういうことでしょうか?」
「まず、エディを入れるかどうかの問題じゃない。俺とマリアベルはパーティを組んでいるわけじゃないからな」
「え~~~! どういうことよ、シグルドさん! 私達はチームじゃなかったの!?」
マリアベルの叫び声はギルド中に響き渡った。うるさい奴だな……まったく。
「何時から俺達がパーティになったんだ? パーティ名すら決めていないだろう?」
「それはそうかもしれないけどさ……北の大地にも一緒に行ってたじゃん」
「あれはダークドラゴンを使役出来るようになった成り行きからだ。第一俺は、単独冒険者だと言っているだろう」
「う~~ん、その話は何度も聞いているけどさ……な~んか、納得できないな~~!」
マリアベルは口を尖らせている。かなり不満があるようだが、それ以上は何も言わなかった。周囲の連中は彼女の大きな声に驚いていたようだが、今は気にしている様子はないな。ふう……妙な噂を立てられないようで助かった。
「ごめんなさい……僕が勝手に勘違いしたようで。不快に思われたのなら、謝ります」
「いや、気にするな。これくらいのことなど、日常茶飯事だからな」
「そうなんですか、良かったです。でも、僕はシグルドさんのお傍に居て冒険者としてレベルアップしたいと思っています。なんとかならないでしょうか?」
エディの目は相変わらず真剣だった。こういう輩は嫌いではないが……さて、どうしようか? 例えば北の大地にダークドラゴンと一緒に連れて行き修行と素材調達をさせるという方法が思いつくが、エディの実力では足手まといになるだろう。
まずはこいつの真の強さを見極めることが重要か……まったく、以前の俺ならば考えられない思考だ。もしかして丸くなっているのか?
「ふん、そんなに俺と共に行動をしたいのか?」
「はい、許していただけるのなら……お願いします」
「いいだろう、まずはお前の真の強さを見極めさせてもらおう。足手まといになるようなら、今回の話はなしだ。それでどうだ?」
「……わかりました、お願い致します」
「よかろう」
話は纏まったようだ。エディも納得している。マリアベルは相変わらず口を尖らせていたが、まあ無視しておくか。アイラの素材供給も兼ねてそうだな……近くのダンジョンでこいつの実力を試してやるとするか。




