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243話 想いの整理 3


「エディ君、急に呼び出してごめんなさい」


「いえ、アイラさん! そんなことないですよ。その……呼び出していただいたということは、答えを聞けると考えていいんでしょうか?」


「うん、そういうことになるかな」


「そうですか、良かったです」


 エディ君には随分の長い時間を与えてしまったかもしれない。実際の日にちで言えばそこまでではないんだろうけど。私がエディ君の立場だったなら、気になって夜はあんまり眠れないかもしれないから。そういう意味では悪かったと思っている。


「そ、それで……早速で悪いんですけど、答えを聞かせてもらえませんか?」


「うん……ええと」


 自分の出した結論を発言するだけなのに、やけに緊張するわね……。


 多分だけど、マリアベルが付いて来ていそうだし……あの子の送り出す表情からの推測だけれど。ただ、マリアベルの気配を察知する能力なんて私にはない。見られていたとしても、仕方ないわね。


「エディ君」


「は、はい……アイラさん」


「ごめんなさい……」


 私はエディ君の顔を見ながらハッキリと言った。こういうことは中途半端にせずに言葉にしないといけないことだしね。


「そ、そうですか……残念です」


「本当にごめんなさい、エディ君」


「差し支えなければ、理由を聞かせて貰っても良いでしょうか?」


「ええ、もちろん」


 私は深呼吸をして息を整えた。


「エディ君とはまだ知り合って間もないしさ。やっぱり、それが一番の理由かな」


「あ……やっぱりその部分が問題でしたか……」


「エディ君が決して嫌とかではないんだけど。それに、私は今、お店を大きくしたいって気持ちも強くてさ。クリフト様やマリアベル、アルファさんにアウゴさん。それからシグルドさん達が2号店に携わってくれているから、今の私があるの。私のことを好いてくれているのは本当に嬉しいことだけど……今はお店に集中したいって気持ちもあって」


 私は深々とエディ君に頭を下げた。自分の中の気持ちを正直に話したつもりだ。彼はそれを聞いてどう感じてくれるのか……今の私には分からないけれど。


「素敵だと思います、アイラさん。そうやって自分の仕事を楽しんで誇りに思っているところが特に。アイラさんの気持ちが分かりましたし、あなたを好きになれて良かったと思っています」


「エディ君……ありがとう」


 彼の心の中はやっぱり悲しみで満ちているのだろうか? 私には想像できないことだったから、ありきたりな言葉を使ってしまったけど。これで良かったのかな?


「アイラさん、またお店の方に顔を出しても良いですか?」


「え、ええ、もちろんだよ! エディ君が嫌でなければいつでも待っているから……!」


「はい、ありがとうございます! 僕ももっと自分を磨いて、アイラさんのように仕事に対して誇りを持てるように頑張ります!」


 そこまで言うと、彼は軽く頭を下げた。その後は軽く挨拶をしてお互い帰路につく。私を参考にしてくれる少年か……とても嬉しいけれど、がっかりさせないようにいつも以上に頑張らないとね!


 エディ君に告白されて私も少し成長出来たような気がする。



------------------------



(シグルド・バーゼル視点)


「う~ん、エディ君のあの表情は断られたかな~~」


「そのようだな」


 距離がある程度離れている為、内容全体を聞くことは出来なかった。しかし、エディという人物の口の動きからある程度察知することができる。それから表情でもな……。


「シグルドさんからすれば、嬉しかったんじゃないの? アイラが断ってくれてさ!」


「馬鹿を言うな。なぜ俺が……」


 アイラが断ろうが承諾しようが俺には関係のない話だ。ふん……それにしても、マリアベルのペースに嵌りつつあるような気が。そっちの方が重大な事柄だ。


「よ~~し、エディ君はきっと憔悴しているだろうから、励ましに行こうよ」


「なに? 本気か?」


「もっちろん! シグルドさんも付き合ってくれるよね?」


「お、おい……待て」


 俺の制止を振り切ってマリアベルはエディに近づいて行った。本当に奴を話すつもりなのか? 振られたばかりの人物に……。


 それにしても、最近は単独で行動した記憶がないな。こんなことは何時以来だろうか。

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