241話 想いの整理 1
「ふう、どうしたら良いのかな」
私はエンゲージ2号店に戻って来ていた。クリフト様やカエサルさんと話をした後に、馬車で帰って来たのだ。1号店の方の売り上げ確認やアイテムの補充は済ませて来たけれど、早めに帰還したことになる。
「それでアイラ。クリフト王子殿下にはちゃんと報告出来たようだね!」
「ええまあ。エディ君の件は伝えられたと思うけど」
好奇心旺盛なマリアベルが薬の調合をしながら話し掛けてくる。余所見をしながら調合して……失敗しなければ良いけど。まあ、マリアベルに限ってそんなことは起こり得ないか。
「アイラ様、表情から察しますと良きアドバイスを得たと思われますが……そうなのでしょうか?」
「はい、アウゴさん。アドバイスと呼べるものなのかは不明ですが、方向性は分かったような気がします」
アウゴさんは接客中。お客さんの相手をしながら、時折、私の方向を見ている。
「それでそれで? エディ君の告白について、どういう答えを出すつもりなの?」
マリアベルはやはりその部分が気になっているようね。私の中では1つの答えが出ているんだけど。今、それを明かすわけにはいかない。
「まあ、答えは決めてあるけど、今教えるわけにはいかないわ」
「ええ~~? ケチ~~」
「ケチでもいいの、大切なことなんだから。ただ、向こうへ帰った時、カエサルさんっていうお医者様から告白を受けたわ」
「ええ~~、そうなの? カエサルさんって格好良い?」
これまたマリアベルは興味津々なようだった。なんだかんだ言っても、私と同じく年頃の少女だしね彼女も。
「そうね……ミステリアスな二枚目って感じかしら? クリフト様やシグルドさんとはまた違った印象だけれど」
「へ~~~モテるんだね、アイラってば。シグルドさんもアイラのことを気に掛けているみたいだったしさ」
「それは錬金術士の私を気に掛けているんでしょ?」
前から何度も聞かされているしね。
「そうかな? 私はそれだけじゃないと思うんだけど……ま、いっか」
「ん?」
マリアベルはそこで話を打ち切ったけど、最後の言葉は少し気になる。錬金術士としての私以外も気になっているってこと? いやまさかね……。
「それでアイラ。この後はどうするの~~?」
「お店が落ち着いたら、エディ君のところに行ってみるわ。そろそろ答えを出さないと失礼になっちゃうしね」
「そっか、しっかりねアイラ!」
「うん。ありがとうマリアベル」
マリアベルからも勇気を貰ったわ。この後私はエディ君に自分の想いを打ち明けるつもりだ。彼がどういう反応をするのかは分からないけれど、理解してもらえるように頑張らなくちゃ。




