240話 それぞれの想い 4
「どうなんですか? クリフト殿下」
「……」
挑発しているように見えるカエサルさん。私に告白をしたことで、その反応を見ているようだった。クリフト様はなんて答えるのかしら?
「カエサル殿、私は現状を快くは見ていません」
「ほう……なるほど。快く思っていないのであれば、どうするのですか?」
周りから見れば普通に会話してるだけなんだろうけど、私には手に汗握る攻防戦が繰り広げられているように映っていた。
「うわ~~~、カエサルさんって意外と好戦的なんやな!」
「ああ、意外だよな姉貴」
「見てる分には楽しいけどな」
「そうやな、ローランド」
この陽気な兄妹二人は相変わらずだった。楽しい見世物を楽しんでいるような雰囲気だ。
「個人的な意見はともかくとして……私はアイラの想いを尊重したいと思っている。まあ、この点ではカエサル殿も同じなのだろうが」
「クリフト様……?」
クリフト様は私に視線を合わせていた。すんごい見つめられている気がする……。
「エディという少年と付き合うのはアイラにとって、メリットがあるだろう。カエサル殿も言っていたが人生経験にもなるだろうしな」
「あ……それはそうですよね」
「だからこそ、自分の想いに素直になるのが一番重要じゃないか? 本音を言えば引き留めたい気持ちはあるが、アイラを困らせたくはないからな」
「……」
私の素直な気持ちが重要、か。クリフト様は確かにそう言った。勇気づけられる言葉だ……エディ君からの告白、そしてカエサルさんからの告白もあった。皆の意見を参考にするつもりだったけれど、最終的に考えて答えを出すのは私。クリフト様はそれを教えてくれたような気がした。それから、クリフト様も本音では引き留めたいって言ってくれてるし……う~ん。
「済まない、アイラ。余計に悩ませてしまったかな? 私なりの助言を言ったつもりだったんだが……」
「いえ、そんなことありません。非常に参考になるお言葉、ありがとうございました。カエサルさんもありがとうございます」
「いや、どういたしまして。俺の意見も参考になったのなら嬉しいよ」
カエサルさんは笑顔で言ってくれた。私もその言葉に笑顔で返す。
「しかし、王子殿下。よろしいのですか? ご自分の気持ちをハッキリ伝えなくても……」
「カエサル殿、そういう言い方をされると完全に私の心の中が外に出てしまうのだが……」
「いや、これは申し訳ない」
「う、うん……謝罪されるようなことではないが。ただまあ、アイラにはアイラの考えがあるだろうし、それを押し止めてまで自分の気持ちを表す気はないさ」
「なるほど、そういうことですか。私とは少し違うということですね」
カエサルさんもクリフト様もいつの間にか通常の雰囲気に戻っていた。双方に納得のいく展開になったからなのかな? それにしても私なりの答えか……本当にどうしたら良いんだろう。
あまり深く考えずに、人生経験だと思って最初に告白してくれたエディ君と付き合うのが正解なのかしら?




