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237話 それぞれの想い 1


「また凄いタイミングで来たものだな……二人とも」


「いや~~ごめんな、王子様。ホンマは二人のことを邪魔する気はなかってんけど……」


「思い切りじゃましてるじゃねぇかよ、姉貴」


 ローランドの冷静な突っ込みが調合室内に響いた。まさしくその通りだ。エミリーの邪魔が入らなければ、今頃私はクリフト様とキスをしていたかもしれないのに。


 クリフト様とのキスか……そんなことが実現していたら、私達の関係性はどのようになったのだろうか? 今までのように気軽に会える関係性ではなくなってしまっていたかもしれない。相手は王子殿下なのだから……。


「まあ、ある意味ではグッドタイミング……じゃなかったわ」


「ん?」


 クリフト様が少し怪訝な様子を見せていた。とりあえず、先ほどまでの怪しい雰囲気はキース姉弟が来たことによって霧散しているわね。


「でもなんか久しぶりに感じるな~アイラ。最近はロンバルディアに行ってることの方が多いやろ?」


「まあ、そうなるわね。最近は向こうでの仕事が忙しいから」


「その歳で2号店をオープンさせた才女様やもんな~」


「やめてよまったく。それに才女って……」


 私が2号店をオープンさせられたのは周りの人達の助けがあったからだ。1号店ですら、アミーナさんからの助けがなければオープン出来なかったんだし……。


「そうやって謙遜が出来るのが、アイラの魅力だな。今の才能に溺れることなく、常に高みを目指している。尊敬に値するよ」


「クリフト様……そ、そんなことは……」


 クリフト様にこんなことを言われると、嬉しい反面、まともに顔を見れなくなる。私の顔はきっと赤くなっているはずだ。体温の上昇を感じるし。


「いい雰囲気だな。もう結婚すればいいんじゃね?」


「な、なに言っているのよ……」


 ローランドがからかい半分でとんでもないことを言いだした。私とクリフト様が結婚なんて……。


「ははは、それはありがたい提案だがそう上手くはいかないようだ」


「ん? なんかあったん?」


 エミリーは興味津々に私に視線を合わせてきた。これはエディ君のことを話さないといけない流れでは……? 私は溜息を吐いてしまった。



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「へえ、アイラはそのエディ君に情熱的に告白されたというわけやな?」


「情熱的かどうかは分からないけど、告白されたのは事実よ。まだ返事は返していないんだけど……」


「うわぁ、なかなか修羅場になりそうな展開やな。でもウチはそういうの好きやで」


 事情を知ったエミリーは、先ほど以上に目を輝かせていた。私はもしかすると彼女の玩具にされてしまうかもしれない……事情を話したのは間違いだったかしら?


「王子様もそのエディって子のことは気になるんやろ?」


「ああ、気にはなるかな。色々な意味合いで……」


 クリフト様の真意は完全には読み解けないけれど……エディ君とのことで、嫉妬してくれているのかしら? さっきはキスをしかけたわけだしね。


「アイラモテまくってんじゃねぇか。この間も医者のカエサルさんがお前の店を訪れていたんだぜ?」


「カエサルさんが?」


「そうだぜ。こりゃ、お前がエディって奴と付き合うのかどうかで、予想の斜め上を行く展開になりそうだな」


 ローランドもエミリーと同じく、現状を楽しんでいるようだった。まったくこの二人は……。カエサルさんは確か、以前の瘴気事件以降は医者として、ロンバルディアにも足を運んでいるはずだけれど。


 いやいや、そもそもの話としてカエサルさんは私なんて眼中にないのでは? 薬の仕入れ先というビジネスパートナーとしか思っていないはずだけど……違うのかな?


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