231話 少年の想い 1
「アイラさん、お昼ご一緒してくれて本当にありがとうございます!」
「ううん、エディ君。気にしないでよ」
私達は露店から近くにあるレストランに入った。エディ君も喜んでくれているし良かったわね。
「注文先に済ませましょうか」
「そうですね」
私達は席につくと、お昼のメニューをそれぞれ注文することにした。私はサンドイッチセット、エディ君は唐揚げ定食を注文したようだ。
「あの、ええと……アイラさん」
「なに?」
「実はアイラさんにお礼を言わないといけないことがありまして」
「お礼?」
「はい」
なんだろう改まって。真剣な表情になっているけれど……食事の誘いを了承した件ではないだろうしね。
「お礼って何のこと?」
「ほら、以前に瘴気が発生した事件があったじゃないですか」
「あったわねそういえば」
「あの事件、僕の母さんが瘴気にやられたんです。アイラさんの超万能薬のおかげで回復しましたけど。それで……ずっとお礼を言いたかったんです」
「そうだったんだ。あの瘴気事件は大変だったけど、ご家族の方が回復して良かったわ」
「ええ、その節は本当にありがとうございました」
「いえいえ、どういたしまして」
私は当時のエディ君のことを知らないけれど、どこかで彼と彼の家族を救っていたのだろう。瘴気事件はまだ完全には解決していないけどね。メビウスダンジョンのロンバルディア側の入り口は封鎖されたみたいだけど、いつまた蔓延するか分からないし。対策案の巨大風車はもうすぐ完成するみたいだけどね。
「本当はもっと前からアイラさんにお礼は言いたかったんですけど……ええと、色々とありまして」
「色々?」
「はい、色々です……」
確かに単純にお礼を言うだけならもっと早くてもおかしくはない。彼なりの事情があったんだろうけど。
「ええと、その……僕はアイラさんが……あの」
「ん? エディ君?」
良く聞こえないけれどエディ君はかなり照れているようだ。そんなに恥ずかしいことを言おうとしているのだろうか?
「大丈夫よ、エディ君。恥ずかしいなら無理に聞くつもりはないから安心して」
「いえ! アイラさんには是非聞いてもらいたいと言うか……言っておきたいことがあるんです」
「そ、そうなんだ……何かな、エディ君?」
「は、はい! 実はですね僕は……」
胸の高鳴りを感じていた。なんだかエディ君の真剣な眼差しに私も吸い寄せられているような気がする。彼は何が言いたいんだろうか? ううん、ここまで来れば流石の私にも分かっている。ただ、違った場合が恥ずかしいので分からない振りはしているけれど。
「僕はアイラさんのことが好きなんです……出来ればお付き合いしていただけませんでしょうか?」
「エディ君……」
やっぱり告白だったか。15歳のエディ君からの告白に私はドキドキを隠せなかった。ここまでハッキリとした口調で言われたことは生まれて初めてだったから……。




