218話 雑談 2
「さてさて……ダンジョン攻略の件は置いておいてじゃな。ロンバルディア神聖国内でのエリクサーの価格を決めないといかんの」
「そうですよね、オディーリア様。流石に10万スレイブは高すぎますし……」
その額でもこの国でなら売れるのかもしれない。でも、ホーミング王国での価格とあまりにも違い過ぎて、罪悪感が出てしまう。
「1号店では1万スレイブなので……その額に下げたいとは思っているんですが」
「駄目だよ、アイラ! 1万スレイブなんて安すぎるよ!」
私の意見に頬を膨らませながら反論しているのは、マリアベルだ。10万スレイブのエリクサーを作った張本人である。
「いや、でもさ……」
「でももへちまもないの!」
意味が分からないけれど、マリアベルが必死なのは理解できた。やっぱり価格は適正にしないと駄目なのかしら?
「……」
「さてと、私はどうするか……」
そんな会話に入って来ないシグルドさんとアルファさん。自分達の範疇ではないと分かっているのか、完全に明後日の方向を向いていた。この二人なら多少金額を上げても、問題なく購入してくれそうだけどね。
「オディーリア様はどう思われますか?」
「わらわはそうじゃな……2万スレイブや3万スレイブにするのが妥当だとは思うな」
「そうそう、オディーリア様の言う通りだよ! 1万スレイブはあり得ないって! エリクサーを作れる人なんてほとんどいないんだからさ!」
マリアベルもオディーリア様も1万スレイブは安いと考えているようね。蘇生薬や万能薬、エリキシル剤の価格もそれに合わせて高くしたら、儲けはさらにとんでもないことになるかもしれない。ロンバルディア神聖国周辺で活動している冒険者や貴族の方々に売れる可能性は高そうだし。
商売をしているんだから儲けたいのは当然だ……私はとても悩んでいた。
「じゃがな、アイラよ。結局決めるのは、店主であるお主じゃ。わらわやマリアベルに価格の決定権はないからの」
「は、はい……結局、決めるのは私自身なんですよね」
「そういうことじゃ」
「う~ん……」
「アイラ、値上げ値上げ!」
私は悩んだ末に一つの結論を出した。その日から数日後にはエリクサーなどの価格を2万スレイブに引き上げたのだ。同じペースで売れるかは分からないけれど、エリクサーや蘇生薬が売れなくても目玉商品として、他のアイテムが売れればそれで良いし。お客さんが多く来てもらえる可能性は高そうだ。
と、そんな時だった。
「待たせたな、アイラ・ステイトよ」
「えっ……あ、モーレス大公殿下」
「私の配下、ロンバルディア最高峰の錬金術士を連れて来たぞ。恐れおののくが良いわ! ふはははははっ!」
「は、はあ……そうでしたね……」
しまった、腕相撲やエリクサーの価格の話でモーレス大公のことをすっかり忘れていたわ。そう言えば、錬金勝負をするって話だったわね……。




