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213話 腕相撲 1


「オディーリア様が相手してくれるの? 楽しみだな~~!」


「ふふふ、楽しんでもらえて嬉しいぞよ。言っておくが、わらわは少々強いからな?」


「うん、分かっているよ。すんごい楽しみ!」


 オディーリア様と無邪気なマリアベルの会話が続いていた。内容的には凄い内容だけれど……お客さん達も集まっているし良い傾向なのかな? マリアベルの台座の前にオディーリア様は立っていた。どうやら、本気で腕相撲をするみたいだ。


 たかが腕相撲だけれど、されど腕相撲なのかもね……う~ん。


「ふん、面白い事態になってきたな」


「シグルドさん……」


 戸惑っている私とは裏腹にシグルドさんは、二人の対決を楽しんでいるようだった。まあ、シグルドさんの性格からすれば楽しくなるのかな。


「それにしても……オディーリア様とマリアベルの腕相撲か。予想外の展開だな」


「そうですね、アルファさん。私も予想外です」


 そんな中、アルファさんは私と同じく戸惑っているようで安心だった。


「オディーリア様が自ら腕相撲を申し出るとは……興味深いことです」


「あ、エメリさん」


 オディーリア様の護衛の一人であるエメリさんも興味津々といった様子だった。


「オディーリア様ってそんなに強いんですか?」


「そうですね。オディーリア様はその立場の関係上、護衛が付いていますが、本来であれば護衛は必要ない程の実力者です。ライドン女王国内では最強ではないでしょうか? おそらくですが」


「ええっ? そんなに強いんですか?」


 私は思わず驚いてしまった。強いとは聞いていたけれど、まさかライドン女王国最強レベルに強いなんて……それってとんでもないことなんじゃ?


 エメルさん達、護衛よりは確実に強いってことよね……流石にシグルドさんクラスに強いとは思えないけれど、それでも相当なんだと思わされてしまう。


 そう考えるとマリアベルとの腕相撲は面白そうね。


「おお、なんだなんだ?」


「あれ? アイラ様の薬屋の前で何か始まってない?」


「どうも腕相撲大会みたいだぜ」


 観客が集まって来ているし、楽しいイベントになるかもしれない。自然とワクワクしている自分が居た。薬の売り上げアップに繋がるかもしれないしね。


 モーレス大公殿下と錬金勝負が決まった時は鬱屈な想いだったけれど、今は随分と晴れている。マリアベルの思いつきには感謝したいくらいだ。


 マリアベルとオディーリア様は既に腕を組んでいた。腕相撲開始といったところだろうか。果たしてどちらが勝つのかしらね。

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