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208話 オディーリアとマリアベル 2


「あ、オディーリアさんは分かるんだ? ねえ、大陸全土を覆っているはずなのに、なんでアイラ達はリュハイン王国のことを知らないの~~?」


 地団太を踏んでいるマリアベルが可愛かった。まあ、それは良いとして……オディーリア様のカミングアウトは衝撃的だ。マリアベルの出身地であるリュハイン王国……それが1000年前に栄えていた錬金国家の名前だと言うのだから。


「マリアベルは少し黙っていてね」


「ぶ~~~~!」


「1000年前の錬金国家……でも、そう考えたら彼女がクレスケンスの光から現れたことも納得できるというか……」


「そうじゃろう? 細かいカラクリは分からぬが……マリアベルはこの場所がリュハイン王国だと思っていたようじゃな」


「そうだよ、思っていたよ。ロンバルディア神聖国なんて国家知らないし……ビックリしたけど」


「まあ、お主の状況を考えれば、知らないのは無理もないな」


 オディーリア様の言う通りだ。マリアベルの話が本当なら、彼女は過去から転移して来たことになるのだし……1000年前にはロンバルディア神聖国やホーミング王国もなかった。知らないのも無理はないだろう。


「アイラよ、少しだけマリアベルのことが分かったのではないかの?」


「そ、そうですね……少しだけ進展があったような気がします」


 マリアベルは無邪気な表情を見せているけれど、その内に秘めたる秘密は相当なもののようだわ。今は変装させているけれど、素顔はクレスケンスとそっくりだしね。


 あ、そういえば以前にオディーリア様も化粧で顔を覆っているってカエサルさんが言ってたっけ?


 なぜか私はあの時の言葉を思い出していた。


「どうかしたかの、アイラ?」


「い、いえ……なんでもないです」


 オディーリア様と視線が合ってしまった……慌てて私は目を背ける。マリアベルはやはりクレスケンスなのかしら? それが事実だとしたら、それを分かっているっぽいオディーリア様は一体、何者なんだろうか。


「なかなか面白い話をしているようだな」


「やあ、アイラ。それからオディーリア様も一緒か」


「あっ、シグルドさん。それにアルファさんも……」


 私達のところにシグルドさんとアルファさんが現れた。二人は既にマリアベルの正体を知っているのかしら? 私達の会話を聞いていたみたいだけど。


「私達の話、聞いていましたか?」


「ああ、別に盗み聞きする気はなかったんだがな」


「いえ、それは大丈夫なんですが……」


 別に隠すような話でもないしね。


「しかし、やはりマリアベルは1000年前の錬金国家出身だったか。オディーリアの言葉で確信に変わったな」


「え~~? どういうこと? 私が1000年前の出身って……」


 この状況をイマイチ理解出来ていないのは、マリアベル本人だけのようだった。能天気というかなんというか……ある意味で鋼のハートなのかもしれない。



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