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206話 マリアベルとは? 3


「オディーリア様、お久しぶりです」


「おや、アイラではないか。戻っておったのか、護衛も連れずに現れるとはどうしたのじゃ?」


「ええとですね……」


 クリフト様は宮殿に戻っている。ユリウス殿下やトロメア・オイゲン元会長の裁判の件で忙しいみたいだし。私は防御石を持参してオディーリア様のところに来ていた。エンゲージの裏手だしね。


「実は、マリアベル・ウォーカーっていう子に会ったんですけど……この子が不思議な子でして」


「マリアベル、じゃと?」


「はい」


 あれ? オディーリア様の表情が変わった気がした……やっぱり何か、心当たりがあるのかしら? 私はオディーリア様にマリアベルと出会った経緯を説明した。2号店の店主を任せている件についても。



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「なるほど……そのようなことがあったのじゃな……」


「はい、オディーリア様。オディーリア様なら、この不思議な現象について、何か分かるんじゃないかと思いまして……」


「……」


 オディーリア様は無言になっていた。話せるけど話せない……そんな表情にも見える。前に氷漬けのクレスケンスの前で話していた時も、肝心な事については教えてくれなかったし。


「やっぱり話せませんか?」


「わらわも、そのマリアベルという子のことは完全には分かっておらん。しかし、直接会えば何か分かるかもしれんな。今度、連れて行ってくれぬか?」


「マリアベルのところにですか?」


「そうじゃな。アイラが向こうに戻るタイミングで構わん。わらわも一緒に行くとしよう」


「か、畏まりました。それでは、その時になったらお伝えしますね」


「うむ、よろしく頼む」


 オディーリア様の反応は予想通りというかなんというか。マリアベルを直接見ないと分からない、か。それでも全てを話してくれるかどうかは分からないけれど。お母さんやお父さん達との関係性も上手くはぐらかされているような気がするし。


 オディーリア様のことは信用出来るけど、意外と秘密主義な気はしてしまう。気まぐれと言えば良いのかしら。まあ、自由人な人だしね……ははは。


 それから数日、私は1号店に籠ってアイテム調合に勤しむことにした。2号店に居る間は在庫を増やせないので、定期的に運搬係の人が2号店に足を運んで、私が作ったアイテムを1号店に運んでくれるという契約も交わした。宮殿の関係者がやってくれるので、盗まれる心配はないと思う。


 それからシスマ達にも挨拶を済ませ、私はオディーリア様と一緒に2号店に戻ることになった。


「アイラ、私は少し宮殿の仕事が残っている。また暇を見つけて会いに行くよ」


「ありがとうございます、クリフト様。お待ちしておりますね」


「アイラもとうとう2号店をオープンさせたのね。これからは会える機会も減って行くのかしら……」


「そんなにしんみりしないでよ、シスマ。国を隔ててはいるけれど、そんなに距離が離れているわけじゃないし。また戻ってくるしさ」


「ええ、そうね。待っているわ」


 クリフト様とシスマに別れを告げ、私とオディーリア様は馬車に乗った。勿論、オディーリア様の護衛の人達も一緒だ。今回は3人が同乗している。残り二人はお店に待機らしい。


 目指すはロンバルディア神聖国だ。馬車は勢いよく走って行く。


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