202話 マリアベルとのお店経営 4
シグルドさんは挑発的な発言をしていたけれど、その後は特に何かを仕掛けるということはなかった。まあ、16歳の少女相手に戦闘行為を行うわけはないし、いずれ機会があればということなのかもしれないわね。
お店は通常通り経営を行い、マリアベルは接客と調合を同時進行して貰っている。
「しかし、かなりの逸材を獲得したじゃないか」
「あ、そうですね……えへへ」
「えへへ、じゃねぇよ……」
シグルドさんは呆れたように笑っていた。なんか最近、シグルドさんが笑うことが多くなっているような気がする。一緒に居る機会が多いからかな?
「まあ、俺としてはアイラの店が軌道に乗ることは有り難いがな。王子様と一緒に頑張って欲しいものだ」
「ええと、それはもう!」
「ははは……私も2号店に素材を届けた方が良いのかな?」
2号店は流石にクリフト様に頼るわけにはいかないけれど、頑張りたいと思う気持ちは本当だった。シグルドさんやアルファさんにとっても有益なことだろうしね。顧客を大切にしないとお店経営は成り立たないし。
「シグルドさんやアルファさんの期待には応えたいと思います。いずれはエリクサーなんかも2号店で出して行きたいですし」
「そうか……楽しみにしてるぜ」
「はいっ!」
シグルドさんからの期待の言葉を戴いた。これは頑張るしかないわね。
そんなこんなしている間に、2号店の閉店時間になった。
「アイラ~~~終わったよ~~!」
「お疲れ様、マリアベル」
「えへへ~~」
本日の経営は終了ね。空はすっかり暗くなっているし……マリアベルはとても無邪気な表情を見せていた。全然疲れている様子を見せていない……なるほど、シグルドさんに目を付けられる意味が分かった気がするわ。彼女は私なんかとは比較にならない程の身体能力を持っているということだ。
おそらくはクリフト様やオディーリア様と比較しても比べ物にならないと思う。シグルドさんが興味を持つレベルだからね……。
「あれ? シグルドさん達はまだ居たんだ」
「ええ、彼らは私の護衛でもあるからね」
「あ、そうなんだね~~~」
間延びしたマリアベルの話し方は、緊張感を程よく和らげてくれる。私にとってはありがたいものだった。
「護衛か……でも、私が居れば全て解決なのにね!」
「ん? どういうことだ?」
「だってさ~~~、私だったらアイラの護衛も錬金も両方をこなせるんだよ? 完璧じゃない?」
「ほう、良い度胸じゃねぇか……」
「ま、マリアベル……」
明らかにシグルドさんとアルファさんを挑発していた。確かに彼女が本当に強ければ、一石二鳥にはなるけれど……マリアベルはナチュラルに人を煽る気質があるのかもしれないわね。




