199話 マリアベルとのお店経営 1
「へ~~~、ここがアイラのお店なんだ?」
「まあ、そうなるわね……2号店だから、露店だけどね」
「いいじゃん、そんなの。凄いと思うよ~~~!」
マリアベルは私のエンゲージ2号店を見ても特に馬鹿にした様子を見せていなかった。この子って普通に良い子なのかもしれないわね。少なくとも、以前に来た貴族の人よりははるかに。
「あ、アイラ……この娘はもしかして……?」
「あ……ええとですね、アルファさん。説明すると少し長くなるんですが……」
アルファさんはクレスケンスにそっくりな彼女を見て、戸惑っているようだった。まあ、当然の反応よね。サンスクワット大聖堂の神官も驚いていたし、参拝客に知られたらどれだけの大混乱になったか分からないわ。クレスケンスとは直接関係ない私ですら、あれだけ崇められたんだから……。
「……とまあ、そういうわけなんです」
「なるほど……クリフト殿には視認できなかった光が浮かんだということか。その光を追ったら、マリアベルという少女が居たということだな?」
「そうなりますね」
「なんとも不思議な現象だな……」
アルファさんは普段、冒険者として色々な経験をしているだろう。その為か、私の話を全て信用してくれた。この場には居ないけれど、シグルドさんも信じてくれると思う。そういう意味では二人はとても頼れるわね。余計な説明が必要ないというか……。
「上級回復薬とか上級毒消し薬とかあるんだ……アイラが作ったんでしょ?」
「うん、そうだけど」
「そっか~~アイラも中々、高レベルな錬金術士なんだね! まあ、私には敵わないけどね~~」
むむ……こっちは2号店だから、それほど高レベルのアイテムは陳列してないんだけど……でもまあ、それを言ってしまうのは大人げないわね。彼女は歳下だし、超上級回復薬や氷結瓶を作っても、作れるアイテムの一部って言ってたんだし。
彼女の真の実力が分からない以上は、調子に乗らない方がいいわ。それに特に自慢する気なんてないしね。
「ねね、アイラ~~」
「なに? どうかしたの?」
「私をこの店で雇ってくれないかな~~?」
「ええ!? どうしたの、いきなり……?」
いきなりのマリアベルの発言に驚いてしまった。雇ってくれって言われても……この2号店で?
「だってさ~~この国は私の知らない土地みたいだし~~。どうしても生活するなら稼がないと駄目じゃん? アイラのお店で働けたら、ある程度の稼ぎは得られると思うんだけどな~~」
「あ、そういうこと……なるほどね」
私としても人手不足だし、超上級回復薬を簡単に作れる彼女を雇えるのはメリットも大きいと言える。マリアベルへの給料は簡単に払えるし……デメリットはほぼないと言えるわね。
「はは……マリアベルは意外と逞しい子なのかもしれないな……」
「そうですね、クリフト様」
天然な印象のある彼女だけれど、意外と芯はしっかりしていると思った。自分の知らない国だとしたら、もっと焦っても良いと思うけれどそれも感じられないしね。
何はともあれ、2号店の従業員が一人、決まった瞬間だった。




