表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

179/286

179話 超万能薬 1


「オディーリア様!」


 私は思わず叫んでしまった。アルファさんは居るけれど、非常に頼りになる錬金術士の登場に安堵したからだ。抱いていた不安感が少し和らいだ気がする。


 周りの五芒星の人達も私に頭を下げてくれている。


「おお、アイラではないか。それから……アルファ・ルファ殿も一緒か」


「オディーリア・カッサバルト様……呼び捨てで構いませんよ」


「そうか、ではアルファと呼ばせて貰おうかの」


「ええ、よろしくお願いいたします」


「こちらこそ」


「それで……瘴気が蔓延している王都になぜ、お越しになったのですか?」


 ホーミング王国にもおそらく、その事実は伝わっているはず。今、国境を越えてロンバルディアに入るのは自殺行為に近いかもしれないのに……。


「ホーミング王国にも情報は来ていた。しかし、詳細までは分からぬ。現状把握の意味合いを込めてやって来たのじゃよ。アイラのことも心配だったのでな」


「それはとてもありがたいのですが……危険すぎますよ」


「まあ、私は少々特異な体質なのでな」


「えっ……? どういう意味ですか?」


「なに、こちらの話じゃよ。防毒マスクも付けていたので、問題ないと判断し、向かったのじゃ」


 オディーリア様はとても無茶をしていると思う……次期女王陛下だと言われているお方なのに。まあ、それを言ったら護衛が付いているとはいえ、街でお店経営している時点であれだけど。でも、とても心強かった。


「ところでアイラよ」


「は、はい……なんでしょうか?」


「状況を整理したいのだ。お前は毒消し薬などを使って、人々を助けておったのか?」


「はい、そうですね。万能薬まで処方してみましたが、未知の瘴気を完全に治すことは出来ていませんが……」


「なんと……ある程度予想はしていたが、この瘴気はそれほどまでに強力なのじゃな」


 あらゆる状態異常を治療する3大秘薬の1つである万能薬。それが効かないとなると、オディーリア様でも驚くのは仕方のないことだ。


「万能薬はAランクの魔物であるヴィヴィドスネークの猛毒すら治療するはずだ。それすら凌駕している今回の瘴気……本当に危険じゃの」


「はい……今は八方塞がりの状態でして……」


「そうじゃな……」


 オディーリア様はあごに手を当てて唸っていた。考え事をしているようだけれど、その視線は大聖堂の奥に注がれている。氷漬けのクレスケンスを見ているのかしら……?


「……」


「あの、オディーリア様。よろしいでしょうか?」


「ん? どうしたのじゃ、アイラ?」


「オディーリア様は超万能薬について、ご存知ですか?」


「! ……お主の口からそのアイテムの名前が出て来るとはの……」


 私は知っていたわけじゃない……クレスケンスを見ていたら、頭に浮かんだだけだ。今、オディーリア様があの時の私と同じような態勢だったから、再び思い出したに過ぎない。


 現代技術では作れない幻のアイテムと、アルファさんからは聞いているけれど、この時の私はそのアイテム以外で現状を打開することは不可能なのでは? と考えていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ