157話 神聖国の訪問 3
はあ……どうしたらいいんだろう。神官長のマラークさんを始め、ロンバルディア神聖国の神官の人達がキラキラとした瞳で私の店の品揃えを見ていた。最低限、他のお客さんの邪魔にはなってないし、喜ばしいことではあるんだろうけど……。
「ええと、クリフト様。喜んで……いいですよね?」
とりあえず私は、その状況を苦笑いで見ているクリフト様に質問した。彼も答えにくそうにしている。
「う、う~ん……そうだな……」
それから、彼らには聞こえないように小声になった。
「崇拝という意味では喜んで問題ないと思うよ」
「ああ、やっぱりそうなんですね」
「ああ、それはアイラの実力が評価されたことを意味するからね」
なるほどなるほど……確かにクリフト様の言う通りね。私の錬金術の能力がロンバルディア神聖国に評価されるのは単純に嬉しいし、悪いことでは決してないわね。
「ただそれが……悪い方向に波及しなければ、だけどね」
「な、なるほど……」
やっぱり、最終的にはそこに行きつくか。
「そ、そうですよね……やっぱり……」
「私としては、ユリウスが目の敵にされないかが心配だよ」
「クリフト様からすれば、そうかもしれませんね」
クリフト様も当然わかっているのね。前の冒険者会議でも言われていたことだけど。悪い方向に向かわなければクリフト様は歓迎するということね。まあ、私もその意見には賛成だけれど。クリフト様からすれば、あれだけのことをしたとはいえ、実の弟だしね……ユリウス殿下は。
「エリクサー、蘇生薬……そして、万能薬まで。信じられませんな……素晴らしい!」
「マラーク様、エリキシル剤もあるようでございます……」
「エリキシル剤までとは……なんということだ……! まさに、過去の遺産……錬金国家の再来を思わせる品揃えではないか」
かなり興奮気味にマラークさん達は声をあげていた。正直に言うと五月蝿いレベルだったけど……一応はお客さんだし、強く言うのは難しい。
「うるせぇな……! こっちは静かに食事がしたいってのによ……少し黙れよおっさん!」
桜庭亭の食堂で食事をしていた少し柄の悪い冒険者二人が声を荒げていた。あ、私の店にも来てくれていた人達だわ。冒険者ランキング8位の二人パーティの人達だっけ確か。以前から、柄は悪いとは思っていたけど……確か、18歳だったかな?
「ん? なんだお前達は……?」
あ……なんだか、気まずい雰囲気が出ているような、そんな気がする。
「ふ~む、面白そうじゃなこれは……ふふふふっ」
オディーリア様は現状を楽しんでいるようだったけど……えっ、私はどうしたらいいんだろう? 止めるの? いやでも……。
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