表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

149/286

149話 ロンバルディア神聖国 1


「ロンバルディア神聖国は、過去の栄光とされる錬金国家を崇拝している宗教国家だ」


「はあ~やっぱりそうなんですね~」


「やっぱり、だと? 知ってることをわざわざ質問したのか?」


「昨日、ネプトさんやアンジェリーナさんから聞いたんですよ。で、シグルドさんが私の店の薬をぜひ購入したいと言って来たから、快く引き受けて、そのついでに質問してるだけです」


「なんだその台本みたいな話し方は……まあ、どうでもいいが」


 本日はシグルドさんとお店の前で雑談をしている。昨日はネプトさんやアンジェリーナさんだった。その前はクリフト様と。こうして毎日、違う人と話しているのは楽しい。見聞が広がるし、私の交友関係が広くなっていることを実感できるから。


 あ、念のため言っておくけれど、ちゃんとお店の運営もしているわよ? 別にサボってるわけじゃないから。ライハットさんなんかは、オーナーになって悠々自適な生活しても良いのでは? みたいに言ってくれるけど、私はそれは望んでない。


 まだまだ10代の小娘なんだし、色々と経験しておきたいからね!!



「それにしても、私達って似た者同士ですよね」


 私は本日も20万スレイブの買い物をしてくれた、我が「エンゲージ」最大の功労者? にそんなことを言ってみた。シグルドさんは少し間を置いてから突っ込みとばかりに口を開く。


「あ? なんだいきなり? 頭でも打ったのか?」


 シグルドさんはとても口が悪い……でも私はそんな彼が嫌いではない。なんというか、それが平常運転なんだと思うし。


「お互いの得意分野で底まで辿り着いてないって言うか……こんなこと言うと、自信過剰に映るかもしれませんけど」


「ああ、そういうことか。ま、俺達が言うんであれば問題ねぇだろ」


 シグルドさんは納得してくれたみたい。シグルドさんは冒険者として、私は錬金術士としてまだ肩を並べる相手には出会っていない。


 私の場合はネプトさんやオディーリア様とは勝負したことはないし、シグルドさんもライバルとしてはアンジェリーナさんが居るんだろうけど、お互いに心の底では理解しているような。


 自分の方が上なのだということを……。シグルドさんが本当にそう思っているのかは分からないけれど、私はネプトさんに複製方法を学んだ時に理解していた。本当はそんなこと思いたくはなかったけれど……無意識の内に心の底で生まれてしまったのだ。


「シグルドさんって……冒険者最強って言われているアンジェリーナさんよりも、強いんですか?」


「さあな、それは分からねぇが……はっきりさせるためには、一度、手合わせをする必要があるだろう。お前の場合は……この店のラインナップを見れば、ネプトの奴でも勝てないことは明白だな」


 シグルドさんからそんな言葉が出て来るとは……ということは、やっぱり私と肩を並べる錬金術士は今のところ居ない、のかな?


「アイラ……お前が世界的な錬金術士なことは、疑いようがないな」


「いえいえ、別にそんなことないですって」


 シグルドさんの褒め言葉は嬉しいけれど、敢えて否定しておいた。まあ、今はギャグみたいな流れだしね。


「シグルドさんって彼女とか居ないんですか?」


「ああ? いきなり何だお前は……そんなことに興味あるのか?」


「ええ、結構あります」


 この質問には、私だけじゃなくライハットさんや他の従業員も聞き耳をたてていた。アミーナさんまでこちらを見ているような気がするわ。責任重大ね……。


「ま、それなりに遊んだ経験はあるが……本気になった女は、今のところ居ないな」


「ほほう……なるほどなるほど」


 シグルドさんは28歳と聞いている。まあ、その年代なら夜の街とかで相当に遊んでいても不思議じゃないか。ていうか、シグルドさんはその白の長髪と鬼のような顔つきから28歳には見えないのよね……命懸けで魔物討伐をしているから、最早、人生を達観し過ぎているのかもしれないけれど。自分が死ぬなんて微塵も感じてないだろうけど、死を常に隣に置いて生活している人と言えばいいのか。


「でも、私の目は誤魔化せませんよ。居るじゃないですか、あの人が」


「誰のことだ……?」


 シグルドさんは心底嫌そうな顔をしているけれど、それでも私の話に付き合ってくれていた。優しさ、というよりは人間としての余裕かしらね。こういうところは見習わなくっちゃ。


 ええと確か……冒険者ランキング3位の聖獣騎士団のチームリーダーをしている、アルファ・ルファさんだっけ? 前の冒険者会議で見た以来だけど……あの人がシグルドさんに惚れている気がする。私はそこを突いてみた。


「アルファ・ルファさんですよ……ほら、聖獣騎士団の冒険者チームのリーダーで居るじゃないですか。シグルドさんのことを心配してたでしょ?」


「あいつか……お前は意外と見てやがるな……」


 ここに来て、初めてシグルドさんが焦っているように感じられた。ふふふふ、なんだか面白くなってきたわ。そういえば……アルファさんってロンバルディア神聖国の騎士でもあるんだっけ?




よろしければ、ブクマや評価などをいただけると嬉しいです!

書籍は3月10日に発売致しました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ