144話 VSオイゲン商会 2
私はネプトさんと一緒にオイゲン商会の直営店に向かうことにした。ライハットさんとエメルさんはお店の守りと賞金首の見張りをしてくれている。今頃はホーミング王国の兵士達が引き取りに来ている頃かしら?
まあ、そっちは良いとして、私はネプトさんと残りの五芒星の二人と走っている。オイゲン商会の直営店はすぐそこにある。戦闘行為が行われているなら、爆発音とか聞こえて来ても良さそうなのに。
静かな夜は変化している様子がない。
「ネプトさん、戦いは始まっていないんでしょうか?」
「分からないね……しかし、オイゲン商会側は誘拐が失敗したことで焦っているはずだ。武力攻撃に出ても可笑しくはない気がするがね」
オイゲン商会の武力攻撃……それなら、猶更、戦闘行為が行われていてもおかしくはないけど。
「もしかして……もう、勝負が付いている……?」
「その可能性はありそうだね。アンジェリーナ達が負けるとは考えられないが……」
「ネプトさん……」
私だってあの二人が負けるとは考えていない。でも、勝負に絶対はないのだしもしかしたら……オイゲン商会が自爆覚悟で攻めて来たのだとしたら、それも違ってくるのかもしれない。
私は一抹の不安を覚え始めていた……。
-------------------------------
「閉店時間になっているはずだが……直営店の入り口のシャッターが開いているぞっ!」
「ていうことは……!」
オイゲン商会との戦闘行為があったことを意味する? 緊張感が高まってしまう。シグルドさんとアンジェリーナさんの無事を願って私はシャッターの中を見た。すると……。
「シグルドさん……?」
「くそ……」
なんだかいつものシグルドさんとは様子が違うような……酷く落ち込んでいるような気がする。まさか大怪我を負っているとか? 見たところ怪我はなさそうだけれど……。
「シグルドさん、大丈夫ですか!?」
「アイラか……こんなところで何をしている?」
「いえ、直営店の様子を見に来たんですよ。ネプトさん達と一緒に。シグルドさんは大丈夫なんですか?」
「ああ俺は……いや、大丈夫じゃないかもな」
大丈夫じゃない……? もしかして、何かしらのダメージを負ってしまっているのかしら。それだとすると、相手はとんでもなく強いんじゃ。
「こんなところでの戦闘で、俺を満足させてくれるとは考えていなかったが……予想以上に弱い。そういう意味ではダメージが大きいな」
「へっ……?」
「アイラ君、彼の足元に注視してみるといいよ」
「足元……あっ!」
シグルドさんが立っている足元に目をやると、何人もの人間が倒れていた。暗かったから気付かなかったわ。なるほど……直営店との戦闘は行われたけれど、一瞬にして勝負が決まったってところかしら。
店内も意外な程に綺麗な状態だし、倒れている人間達はシグルドさんの動きにまったく対応出来なかったんでしょうね。やっぱり、余計な心配だったのかな。
よろしければブクマなどしていただけると嬉しいです!
書籍は3月10日発売です。
よろしければお付き合いくださいませ。




