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132話 エンゲージの通常営業 2


「グリフォンの羽とか素材って、高く売れたんですか!?」


「聞くところが、よりによってそこか……」


 呆れたような顔になっているシグルドさん。だって、私もお店エンゲージを経営している経営者だし。やっぱり、素材の売り上げとかは気になるところね。


「もちろん、エコリク大森林のことは気になってたんですけど、クリフト様からも聞いていますし」


「まあ、そうだろうな」


「それに、シグルドさんはグリフォンなら普通に倒せると以前から聞いていたので、自然と素材の話になっちゃうというか」


「錬金術士は金のことになると、目の色が変わるようだな」


 やんわりと私がお金のことに興味がないと訴えてみたけど無理だった。


「もういいです……。でも、グリフォン12体って多すぎませんか? よく、今まで近くの村は大丈夫でしたね」


 クリフト様からも周辺の村が被害に遭ったとは聞いていないし。グリフォンがエコリク大森林の外へ出なかったのは、本当に運が良かったと思う。


「確かにな。もしかしたら、大森林の守りをしていたのかもしれん。だからこそ、大森林に入ってくる者には容赦しないといった具合だ」


「あ、なるほど。そういう考え方もあるんですね」


「しかし、周辺の村からすれば、エコリク大森林にグリフォンが居たのでは恐怖でしかない。今回の掃討作戦は、ホーミング王国にとっても非常に有意義なものだっただろう。例の如く、素材の売り上げはかなりのものになったようだからな」


 やっぱりそうなんだ……ていうことは、グリフォンの素材はホーミング王国が調達したってことか。


「シグルドさん達は現金なんでしたっけ」


「ま、そんなところだ。そういえば、オイゲン商会グリフォンの翼の偽物を売っているそうだな」


「あっ、それは……ここ、エンゲージの店の前ですし……」


「ああ、そうだな。そちらの件は少し興味があるところだ。アイラ、護衛にいつも以上に警戒するように、念を押しておけよ」


「えっ? シグルドさん……?」


「またな」


「は、はい……」


 シグルドさんはそこまで言うと、会話を打ち切って去って行った。五芒星の護衛の人たちに警戒心を高めるようにという言葉を残して。普段通りにアイテム屋を運営しているだけなら、危険なことに巻き込まれることはないと思うけど……なんだか、シグルドさんに言われると緊張してしまう。


 私の目標はネプトさんに言われた通り、通常営業で売り上げをさらに加速させること……それは順調に可能だと思う。でも、その先にどんなことが待っているのか。まだ、誰にも分からなかった。

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