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117話 偽物 3


「まあ、ほぼ偽物だろうね。グリフォンの翼を売買できる業者が存在するとは考えられない。そもそも、グリフォンを安定的に倒し、素材を調達できる者を揃えるとなると大変過ぎるだろう」


「確かに……カミーユさんやサイフォスさん、五芒星の人達の援護射撃があっても、倒すのに相当な時間を要しましたから」


「だろうね、カミーユとサイフォス。彼ら程の冒険者と言えども、簡単に倒せないのがグリフォンの恐ろしいところだからね」


 ネプトさんは頷きながら、アンバーたちから視線を外すことはなかった。彼らにも、グリフォンの強さを分かりやすく説明しているんだと思うけど。


「君たちも並の冒険者の実力は持っているかもしれないが、流石にグリフォンは倒せないと理解できたかね?」


「くっ……わかったよ。噂には聞いているが、やっぱり化け物なんだな……グリフォンは」


「それはもう。奴を単騎で倒せる者は本当に少ない。アンジェリーナくらいじゃないのかな?」


「マジかよ……ネプトさんでも無理なのか?」


 負けたからなのか、いつの間にか「さん」付けで呼ばれているネプトさんだった。褒められたはずのアンジェリーナさんは興味なさそうに無言になっている。


「私は錬金術の方が得意かもしれない。戦闘は苦手だからねぇ」


「良く言うぜ……」


「俺たちに触れもせずに、勝ってたっていうのによ……」


 確かにネプトさんの蹴りがなくても、念動力みたいなもので二人とも気絶させてた気がするわね。



「話が逸れたが、とにかくグリフォンの翼を1万スレイブで売るメリットは、相手からしたら皆無だ。他にも素材は売られていたのかい?」


「あ、ああ……全部を見たわけじゃねぇけど。ヘビガエルのキモやガマガエルのキモ、キノコガエルのキモにワービーストの爪とかはあったような……?」


 カエル系のキモが多いのが気になるけれど、いかにも冒険者が集めてきそうな素材って感じがした。


「なるほど……だから、冒険者ばかりが2階へ向かっていたわけか。不正をして、ギルドに報告することでランクを上げ収入を得る。なかなか上手い戦法だが、こんなことをして見つかりでもすれば、それ以降の冒険者人生は地の底になるだろうね」


「……そうね」


 このネプトさんの発言にはアンジェリーナさんも興味を持っているようだった。静かに声をあげてるし。冒険者ってクビとかあるのかな……? 国家錬金術士みたいに固定した職業って感じはしないけれど。


「わ、悪かったよ……俺たちも少し焦ってたんだ。反省してる……」


「ああ……目先の欲に溺れそうになってたな……」


「そうか……まあ、私も説教をするつもりはなかったが、分かって貰えたのなら良かったよ。しかし、オイゲン商会の2階はこのままにしておくわけにはいかないね」


「もしかして、ネプトさん達がオイゲン商会を調査していたのって、こういう裏家業的なものがあると思ってたからですか?」


 オイゲン商会がグリフォンの翼を売るなんて大きなことをしているのなら、ネプトさんが調査しているだけはあるっていうか……そんな気がしたので質問してみた。


「そうだね……まさか、素材を売っているとは思っていなかったが。とにかくまずは、このグリフォンの翼を初め、売られている物が本物か偽物かを判定する必要がある。出来れば、アイラ君にも協力してもらいたいんだが……」


「えっ? 私ですか?」


 私に素材の良さを見分ける選球眼はないけれど……何を手伝えばいいのかしら?


「このレシピに書かれている薬品を作ってもらいたい」


 そう言いながら、ネプトさんは一つのメモを私に渡した。


「これって?」


「簡単に言えば、物体にかければ成分によって色が変化する薬品だ。冒険で調達できる素材には様々な成分が含まれている。その成分表と照らし合わせれば、本物か偽物かを判別できるというわけさ」


「ははぁ……なるほど。つまりこの薬品は真偽を確かめる魔法の薬みたいな物ですかね」


「その通りだね。その名も……真偽を見分けるオーセントポーションさ!」


 オーセントポーション? 良く分からないネーミングだけど、正式名称なのかな? まあ、そんなことはいいか。でもこれなら比較的簡単に手伝えるかもしれない。作業的には以前に行った大部隊の為のアイテム製造よりは大分簡単な気がする。


「わかりました、任せてください」


「ああ、助かるよ」


「その代わりと言ってはなんですが、今度、ネプトさんの持っている錬金術の技術を教えていただけませんか?」


 しっかりと報酬の話はしておかないとね。まあ、報酬というか元々頼もうとしていたことではあるけれど。


「もちろんそんなことで良ければいつでも。ただ、私程度の知識で教えられることがあるといいけどね」


「またまた……」


「いや、本当に……」


 あれ、なんだかネプトさんが真顔になっているような……高度な冗談かしら? 流石にネプトさんに教えを請えば、私の錬金術の限界というのも見えて来る気がする。


 さてさて、少し前が見えてきた印象かな。ところで、エコリク大森林に向かったクリフト様たちはどうしてるのかしら……?

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[気になる点] 「確かに……カミーユさんやサイフォスさん、五芒星の人達の援護射撃があっても、倒すのに相当な時間を要しましたから」 偽物買った冒険者の前で秘密の護衛のこと話してますよ。
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