106話 オディーリアの助言 2
「オイゲン商会……」
「知っていますか? オディーリア様?」
「もちろんじゃ、北のワールシュタット共和国で有名な商業連合……いわゆる商業ギルドじゃろう?」
「はい、私もそのように聞いています」
流石は国の重鎮であるオディーリア様。周辺国家の動きや有名な出来事については詳しいのかしらね。
「アイラは誰からオイゲン商会のことを聞いたのだ?」
「冒険者ランキング1位のイノセントと言うチームから聞きました」
「ほほう、そんな凄いチームと知り合っておったのか、お主」
「まあ、偶然というか……クリフト様から、彼らが冒険者ギルドに来ているという情報を教えてもらい、会いに行ったという感じですね」
クリフト様の大部隊のためのアイテム作りから始まって、イノセントチームと出会い、オイゲン商会のことを聞いて、オディーリア様の店に来ている。こうして考えると結構、忙しいかもしれない。
「オイゲン商会……そのイノセントというチームの者からは、アイラは危険性を教えられたのであろう?」
「はい、その通りですけど」
「ふむ……アイラの店はこの辺りではダントツの売り上げを誇っておるからの。心配されるのももっともかもしれんな」
「やはりオイゲン商会は、売り上げの高いお店を傘下に入れようと躍起なんですか?」
「その通りじゃ。傘下に収めることで、法外な利益を徴収できるからの。オイゲン商会はその内部は中央集権体制の国家のような組織図になっておるといわれている」
「中央集権的……ですか?」
「うむ、そうじゃ。お主のような店が末端組織に加入すれば、トップの者へ流れて来る利益は莫大になる。細部の者達は決して儲からないシステムになっており、その売り上げの多くが吸い取っていかれると言われておる」
私の店は現在、月に300万スレイブ以上の売り上があるけど。なるほど、そのほとんどをオイゲン商会に吸い取られたら、とても困ったことになってしまう。正直な話、立ち直れないくらいのダメージになるかも……。
「オイゲン商会の直営店が、カタコンベに設置される可能性は高そうじゃ。そのイノセントの話が本当だとして、トロメア・オイゲン会長が来ているのなら、猶更な」
「直営店……」
オイゲン商会の直営店が出されたとしたら、どうなってしまうんだろう? というより、商売である以上はアイテム販売になるのが普通だけど。正直、私やキース姉弟、オディーリア様のお店の近くに出店したとしても、その直営店に勝ち目があるとは思えない。
つまり、売り上げ勝負になったとしても、とても傘下に収められるわけもなく……。
「でも、傘下に入っている店って、単純に売り上げで負けていくから傘下に入るっていう図式なんですよね?」
「そうじゃな……」
「なら、直営店に負けなければ、大丈夫なのでは?」
「うむ、アイラらしい考えじゃな。まさしく、その通りじゃろう」
オディーリア様も私の考えに肯定してくれているようだった。そう、簡単に言えば売り上げをさらに伸ばして絶対に追い付けないようにしてしまえば問題ない。
「しかし……オイゲン商会は違法性のある商品も売っているとの噂もある。用心するに越したことはないの」
「違法性のあるアイテム……」
今まであんまり気にしたことはなかったけど、違法性のあるアイテムってどういう物かしら? 模造品とか……?
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