105話 オディーリアの助言 1
「お主らの働きは、アイラなら実感しておるだろうて。今回のグリフォンは相手が悪すぎたのじゃ。自らよりも強い存在はいくらでも居る。その気持ちを忘れず、今後も護衛を務めてゆけ」
「オディーリア様……!!」
エメルさんを含めて、私の護衛をしてくれている3人の五芒星の人たちは、涙を流していた。トップクラスの冒険者でも苦戦を強いられるグリフォン。流石の五芒星でも相手が悪かった……それを、オディーリア様は理解されているようだった。
個人的にはこういう軍隊式の馴れ合いは苦手だったりするんだけど、今回は私ももらい泣きしてしまった。だってほら……エメルさんのアイテム士としての能力で私を援護してくれなかったら、今頃どうなっていたかはわからないし。そもそも、五芒星が私の背後のグリフォンを察知してくれなかったら……。本当に彼女たちには感謝しかできない。
そして、オディーリア様が私に向き直る。私を心配してくれていると一目で分かる表情が、私をさらに涙脆くしていた。なんかとても幸せなんだけど……ていうか、私ってこういうキャラだっけ? まあ、嬉しいからいいか。
「しかし……本当に危なかったな、アイラよ……」
「はい、オディーリア様」
「いや、お主であればもしかしたら致命傷にならずに済んだかもしれんが……」
「えっ、どういうことですか?」
あれ、どういうことかしら? 防御石がなくても、グリフォンの一撃で死ななかったかもしれない……? ん?
「いや、こっちの話じゃ。心配するでない」
「はあ……」
「ま、グリフォンとの死闘を間近に見て、その戦いに貢献できたことは非常に大きな経験になったじゃろうて」
「はい、そうですね。お店の売り上げ増加にも繋がりますし」
「うむ、それは何よりじゃな」
オディーリア様は立ち上がると、私をいきなり抱きしめてくれる。
「オディーリア様……?」
「うむうむ、アイラ。今日まで無事でいてくれてわらわは本当に嬉しいぞ」
「あ、はい……ありがとうございます……」
なんだか不思議な感覚だった。私に護衛を付けてくれた時点で、私を大切に思ってくれているのは間違いない。お母さんたちとも面識があるし。でもなんだろう……今はなんというか、もっと近しい何か、言葉で言い表すのが難しいけれど、本当に近しいものを感じた。
と、その時、オディーリア様が私から離れた。
「さてさて、いつまでもこうしていたいものじゃが、時は金なりと言うしな。用件はなんじゃ?」
「あ、えと……実は、オイゲン商会の件でして……」
「むむ、オイゲン商会じゃと……?」
「はい」
急に本題に入ったけど、オイゲン商会という単語を聞いて、オディーリア様の表情は明らかに変わった。流石オディーリア様、これは何か助言をしてくれそうな気配がする……私は早速、オイゲン商会の件について話すことにした。
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