104話 オイゲン商会 2
「えっ、オイゲン商会?」
「うん、知ってる? エミリーは」
私はイノセントの二人と別れた後、私は早速、向かいにあるキースファミリーに行った。相変わらずの商売繁盛っぷりだったけど、暇を見つけて話しかけている。
「結構、悪徳な商会なんやろ? 半強制的に自分らの傘下に狙った店を入れさすとかなんとか」
「やっぱり、そうなんだ」
「やっぱり、て誰からの情報なん?」
「イノセントっていう冒険者ランキング1位のチームからの情報だけど」
イノセントの名前を出すと、エミリーはぎょっとした表情を見せていた。この子はいちいちリアクションが面白い。わざとオーバーにしている節はあるけれど。
「とうとう冒険者ランキング1位のチームまで来たんか? 凄いな、あんたはホンマ……」
「いや別に、今回は私が来てくれって頼んだだけだしさ」
「ほほう、顧客の数を増やす狙いやな?」
「それもあるけど」
「こいつ~~~! あこぎな商売しよってからに~~!」
「ちょっと、くすぐったいっての!」
冗談半分でエミリーがじゃれて来たので、私はすぐに振りほどいた。
「冒険者ランキング1位のネプトさんは錬金術士なのよ。だからまあ、今回は話が逸れちゃったんだけど、いつか教えを請えればなと思ってるわけ」
「ふ~ん、そうなんや。なかなか面白そうやな、その時はウチらも呼んでな」
「興味あるんだ?」
「そりゃ、ウチもローランドも錬金術士やしな。上達はしたいと思ってるしな!」
「それもそっか。わかったわ、その時はまた連絡するから……オイゲン商会には気を付けてね」
「ん、お互いにな~~」
私達はそこで別れることにした。エミリーもローランドも忙しそうだったし、あんまり長居するのも悪いしね。よし、次は……オディーリア様かな?
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「オディーリア様、こんにちは」
「おお、アイラではないか。こっちへ来るが良い」
「はい、失礼します」
私はその後、裏通りのオディーリア様の店を訪れた。今はお客さんは居ないみたいだけれど、結構な売り上げを記録しているのは知っている。
私の護衛をしてくれている五芒星の3人はそこで、インビジブルローブを外して姿を現した。
「ふむ……なかなか、護衛は役に立っているようだな」
「はい……」
と、私が肯定しかけた時、五芒星のエメルさんが先に声を出した。
「いえ、私達はグリフォンの前には成す術がありませんでした……自らの力のなさを実感しているところです……アイラ様も防御石がなければ、どうなっていたかわかりません。護衛として失格です……」
「ふむ……そうか」
まさかのタイミングでの、グリフォン討伐反省会が始まったみたい……。まあ、オイゲン商会の話はそんな一刻を争うわけでもないし、私は状況を見守ることにした。
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