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101話 冒険者ランキング1位 2


「ヤハハハハ、では君が噂の錬金術士のアイラ君かね」


「はい、アイラ・ステイトって言います。宿屋桜庭亭内でエンゲージっていうお店を経営しています」


「これはご丁寧にどうもだね。私はネプト、こちらの女性がアンジェリーナだ。自分で言うのは恥ずかしいが、冒険者ランキング1位の座に就かせてもらっているよ」


「……」


「ネプトさんとアンジェリーナさんですね、よろしくお願いいたします!」


「ああ、よろしくだね」


 私達はお互いに挨拶を済ませ、自己紹介をした。この二人が気まぐれな冒険者ランキング1位の人達か。確かに、無口な女性の方はともかくネプトさんの方は、気まぐれな印象が見て取れる気がする。話し方も独特だし。


「ネプトさんはその……万能型の能力の持ち主で、錬金術にも長けていると伺っていますが……?」


 挨拶が完了した私は、あまり時間を取らせるのも悪いと感じ、本題に入ることにした。


「確かに錬金術に長けているというのは、嘘ではないがね……」


「やっぱりそうなんですね」


「しかし、誤解のないように言っておくと万能選手というのは、どうしても特化型には勝てないものだ。悪い言い方をすれば器用貧乏ということだからね」


 ネプトさんはあまり万能型という言葉が好きではないようだった。となると別の疑問が生まれる。


「そうなんですか?」


「もちろんだよ。万能型は臨機応変に対処が出来るけど、最上位には決してなれない」


「では……シグルドさんには、ネプトさんでも敵わないんですか?」


 私は気になったことを自然と口にしていた。私にとっては、重要なことだったから。


「ははは、勿論、シグルドには私でも勝てないよ。万能とはいえ、単独で動き2位まで来ている男と比べてほしくはないな。プレッシャーが半端ないしね」


「あ、ごめんなさい」


「いやいや、構わないよ」


 しまった……デリカシーのない発言だったかもしれない。私はすぐに謝罪した。と言ってもネプトさんは気にしてなさそうだったけど



「戦闘能力に関して言えば彼女……私の相棒であるアンジェリーナが特化型と言えるだろう。シグルドを倒せる者と言えば、彼女くらいだろう」


「……ネプト」


 透き通るような声が聞こえた。アンジェリーナさんの声だと分かるまで少し時間を要したけれど、彼女はここで初めてしゃべったことになる。


「錬金術の才能で、あなたに勝てる者は居ない。あなたは本来は錬金術特化型」


 非常に無口な印象を受けてたけど、案外、しゃべる時はしゃべるのね。でも、なんだかこの雰囲気……見覚えがあるような?


「やれやれ、まいったな。妹とは違い、自分は直接戦闘能力を授かったから、妬みでもあるのかね?」


「そういうわけじゃ……ない」


 妹? アンジェリーナさんには妹が居るんだ。なんとなく察した私は、ネプトさんに尋ねてみる。


「妹がいらっしゃるんですか? しかも、錬金術士で?」


「なかなか洞察力があるようだね。アンジェリーナのファミリーネームはラーデュイ。アンジェリーナ・ラーデュイというのさ」


「ラーデュイ……じゃあ、やっぱりシスマのお姉さん!?」


「……」


 なんとなく幻の雪女みたいな雰囲気を感じ取ってはいた。それだけに、本当にシスマの姉だったことに驚きを隠せない。そんな偶然ってあるんだ……そんな風に驚いている私だけれど、アンジェリーナさんは表情1つ変えずに、私の質問に対して、無言で軽く頷いただけだった。


 ああこの人……シスマより数段、不思議な人だわ。


 それからもう一つ……アンジェリーナさんが言った言葉で、ネプトさんが本当は錬金術特化型だということ。錬金術の才能で彼は最高だとも聞いている。私の興味は最高潮に達してきていた。


「あの~ネプトさん。つかぬことをお伺いいたしますが……」


「なんだね?」


「もしお時間がございましたら、私の店に来ていただくことは出来ないですか?」


 私の店の品揃えを見ていただきたい。私はそんな気持ちでいっぱいになっていた為に、ダメ元でお願いしてみた。


「アイラ・ステイトの薬屋か……私も噂としては聞いているのだよ。シグルドや、シンガイア帝国の優秀な医者であったカエサル、さらにはクリフト第一王子殿下も御用達のお店らしいじゃないかね」


「そうですね、確かにその通りです」


 いつの間にか1位の「イノセント」にまで情報が行っていたみたいね。


「是非、一度拝見させてもらいたいものだね」


「本当ですか? 良かった!」


 私は思わず両手を叩いて喜んでいた。早速、ご案内しなきゃね!

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