100話 冒険者ランキング1位 1
「あんた……冒険者ギルドで会うなんてね」
「カミーユさん……なんでここに居るんですか?」
「冒険者の私がギルドに居るのは普通でしょ? 冒険者でもない、あんたが居る方が不自然よ」
「それはまあ、そうですね」
私は運悪く? カミーユと遭遇してしまった。遭遇というと大袈裟かもしれないけれど、私にとっては魔物と鉢合わせたみたいなものだし。冒険者ギルド内にランキング4位のチームリーダーが居る……普通に考えれば当たり前のことだけど。
今はクリフト様も居ないし、護衛の五芒星の人達もインビジブルローブで見えないしで、カミーユの当たりも強くなっているようだった。
「それで? あんたが直接ここに来た理由ってなによ?」
「言わないと駄目ですか?」
「なによ、言えないようなことを仕出かすつもり?」
話すとややこしくなりそうだから、出来れば避けたかったけれど……素直に引き下がってはくれないみたいなので仕方ない。
「なんでも今、冒険者ランキング1位のチームが来ているとか……」
私の言葉を聞いた瞬間、カミーユの表情が変化した。
「あんた、イノセントのメンバーに興味あんの?」
「興味があるっていうか……ええと」
なんて答えればいいんだろうと考えていると、カミーユが続けて話し出した。
「ははん、あんた……」
「な、なんですか?」
「イノセントのチームリーダーに興味あるんでしょう?」
「えっ……!? それは……」
「やっぱりね」
いきなり看破されてしまった……私がすぐに顔に出したから猶更だ。カミーユは凄く優越感を感じているようだった。
「カミーユさんは知ってるんですか? その人も錬金術士だって」
「まあ、知っているわよ。ネプト・オルタネイティブ……単純な戦闘能力以外にも、錬金術にも長けているし、他のあらゆる職業をこなせる万能選手とも言われているわ」
「男性……なんですよね?」
「ええ、まあ。私の守備範囲じゃないけどね」
まあ、カミーユの好みの話はどうでも良いとして……万能選手と言われる程にあらゆる技術に長けているってことよね。私は単純に会ってみたいという以外にも、教えを請いたいという思いも強くなっていた。
そして……前回の会議室から出て来る、二人の人物の姿が。見たことのない二人だった。
「イノセントのメンバーは2人だけ……あの二人がそうよ」
「そうなんですね。カミーユさん、ありがとうございました。色々と教えてもらっちゃって」
「別にあんたの為に教えたわけじゃないわよ」
「わかってますけど」
相変わらずカミーユは最後までぶっきら棒だった。以前よりは打ち解けてるとは思うけど。まあ、それは良いとして……私は早速、会議室から出て来た二人に近づくことにした。
「ストップだね、そこの少女」
「えっ?」
まだ、彼ら二人からは何メートルか離れている……それなのに、向こうから声を掛けられた。
「少女の周囲に隠れる気配は……うん、敵意は感じないね。大丈夫か」
「……」
緑色の短髪で大きな瞳が特徴の男性。髪の色と相まって、動物のカメレオンを思い出してしまう顔立ちだ。目つきもカメレオンのそれに似ているし。この人が私を制止した人物……おそらく、五芒星の存在にも気付いているはず。
それから、もう一人の人物は……緑色の髪の人とは対照的で、とても整った顔立ち。銀髪を適当な所で結わえている。でも、こちらはどう見ても女性だ。
「……」
無口な人なのか、私を見ても何も話そうとはしなかった。ということは……丸い大きな瞳と緑の短髪が特徴の人が、ネプトさんで間違いなさそうね。
「私達に何か用かな? 少女」
「あ、えっと……」
既に警戒する必要はないと感じてくれたのか、ネプトさんは優しく声を掛けてくれた。私は緊張しながら、彼ら二人に用件を伝えることにする。




