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110.姉達の閑話

 



「ふぃ~、出発まであと30分かぁ」

「はいよ希乃姉。砂糖増のカフェラテ」


「ありがとう~。詩乃は?」

「カフェオレだよ?」


「砂糖増増?」

「もちろんっ!」


「ふふっ。それにしても、たいちゃん楽しそうだったね」

「うんうん。去年よりも楽しそうでよかったよ」


「やっぱりなんか、たいちゃんが楽しそうだとこっちまで嬉しくなっちゃうよね」

「分かる分かる。こっちまでハッピーみたいな?」


「そうだよねぇ」

「そうそう。だから、帰る時には何かしら残していきたいのよ」


「大学生に必要なのはやっぱり食材だもんねぇ。もうちょっと大きい冷蔵庫だと良かったのに」

「いつまで持つか心配だよ」


「ゴクッゴクッ。ふぅ……やっぱりたいちゃんは精神安定剤だねぇ」

「ゴクッ。おっしゃる通り。どうしてこうも私達の心を掴むのかね」


「そりゃ年の離れた……それも男の子ってのは最初から分かってた訳。もちろん、詩乃も同じくらい妹として可愛いのよ」

「ふふっ。大丈夫。希乃姉の愛情はバッチリ受け止めてますよ? それにたいちゃんについては同意見だからさ」


「流石我が妹。そんな可愛い妹にこれをあげよう」

「いきなりどう……って、これKARASUMAのバックじゃん!」


「前に欲しがってたでしょ? プレゼント」

「本当に? うわぁ……ありがとう希乃姉! ちゃんとお礼はするからね?」


「おぉ~じゃあチューでもしてもらおうか」

「希乃姉~?」


「すっ、すいません」

「もう~でもそういうとこ好きよ?」


「ふふっ。優しい詩乃への感謝の気持ちさぁ」

「希乃姉だって優しいじゃん? けど……」


「たいちゃんでしょ? 若いくせに優しいんだよねぇ」

「そうなのよ。自分でどう思ってるか分からないけど、優しい。いや、優しすぎるんだよね」


「分かる。出掛ける時に服掴むのも、最初は私達がたいちゃんが心配でしてた事なのにさぁ? いつの間にか……姉ちゃん達は方向音痴だから、僕が掴んでおかないと変なとこ行くもん。なんて言って、いつの間にか立場逆転してた」

「あはっ。方向音痴は否定できないもんね。それに昨日だって、流石に自分で服掴むのは止めてたけど、私達が服掴むの許してくれたし?」


「腕組は拒否られたけどねぇ」

「そこは弟の成長を感じましょう」


「……はいぃ。けど、相変わらず人の心配ばっかするよね?」

「体調は? 仕事は? ちゃんと食べてる? 寝られてる? 痩せたんじゃない? 主治医並みの質問だよ」


「けどあれがないと、たいちゃんじゃないよぉ? でも、やっぱりあの質問は毎回胸に深い傷をつけるよね」

「姉ちゃん達……彼氏は?」


「ぐあぁぁぁ! けっ、結婚は?」

「ぐふっ!! マジでキツい」

「「……はははっ」」


「……結婚と言えば、たいちゃんのあの感じだと、例の3人とは上手い具合の距離感なのかね」

「どうかな? たいちゃんが3人とどうしてるのかは私達には分からない。突き放したのか、許したのか、はたまたフラッシュバックして不安定になってるのか」


「それはないよね? たいちゃんがウソついてたら分かる」

「私達経験済みだもんね」


「だね。それこそ色々と思う事はある。でも、あの3人に対して私達が何かをするのは違うんだよね」

「そこはあくまでたいちゃん次第だもん。もちろん? これ以上何かしようとしたら考えちゃうけど」


「うん。それにさ? たいちゃんのそばには彼女がいるもの」

「千那ちゃん?」


「正解~! 透也さんに年の離れた妹さんが居るのは知ってたけど、まさかたいちゃんと同じ年だとは思わなかったよ。しかも黒前大学とはね?」

「話聞いた時は驚いた。希乃姉は千那ちゃんと会った事も話した事もあるんだよね?」


「そうそう。あのね? ハッキリ言って綺麗可愛い。もう綺麗と可愛いのハイブリッドって雰囲気よ? 透也さんの大人びた雰囲気と、湯花ちゃんの可愛さを足して倍にした感じ!」

「嘘ぉ? 良いなぁ会ってみたい。でも希乃姉がそんなに言うって……凄いね」


「なんかね? この子と居るならたいちゃん大丈夫かなって。てか、たいちゃんは千那ちゃんにほの字なのは、見た瞬間分かったし」

「本当? たいちゃんをそんな気にさせるって相当だよ? でもそうなるとやっぱり気になるのは、3人の動向だよね」


「まさか3人ともゴーストでバイトしてるとはね」

「たいちゃんからバイト辞めた話聞いた時は驚いたけど、その原因聞いて更にビックリしたよ」


「たいちゃんには悪いけど、能登ちゃんには説明させてもらったよ。やっぱり、能登ちゃんには詳しい説明はしてなかったもんなぁ。てか、言える訳ないよね」

「言えないでしょ。それに能登ちゃんも驚いてたよね? でもこうも言ってた……やっぱり特別な理由があったんですね? って、能登ちゃんも感じるものあったんだろうね」


「太陽の事、褒めてくれてたよね。姉としては嬉しい限りだったよ」

「同意見。でも、今度黒前に行ったら能登ちゃんにも会わないとね?」


「了解~! とりあえず、たいちゃんの様子は現段階では良好。それが分かっただけで私は嬉しいよ」

「うん。あの3人についても……なんか今のたいちゃんなら大丈夫そう。大きな存在も近くに居てくれてるみたいだしね?」


「そうそう。じゃあ姉達は仕事に専念して、ニヤニヤしながら見守りますかぁ」

「モチベーションの1つだからね。それに秋からは東京だし、青森まで超近いもん」


「いつでも来れますなぁ。ふふっ……って電話? おぉ、噂をすればお世話になる職場さんからお電話ですよ」

「タイミング良すぎない? 社長さん盗撮してる? 盗聴してる? ふふっ」


「まさかぁ。でも社長さんも不思議な雰囲気だからなぁ……それに似た何かはあるかも」

「社員の皆さんも、なんか一癖二癖はあるけど楽しそうな雰囲気ビンビンだもんね」


「分かる分かる。では、お電話出ましょうか。何の御用でしょうかね、シャチョサン?」

「シャチョサンって……私にも代わってね? 今後の話とかもしたいから」


「了解~そんじゃまぁ、姉達も色々と……」

「頑張りますか!」




次話もお願いします<(_ _)>

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