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73 光泰 とまる

五月三十日、八時


京の明智家屋敷に着いた。

本能寺には、まだ向かわない。

たぶん織田信長が手紙を読めば、安土城にすぐ逃げるだろうから、

わざわざ出向く必要は無い。

下手をしたら見せしめに、僕が人質にされ磔にされるかもしれない。

向かうのは明日でいい。茂兵衛は無事だよな・・・・たぶん。


三宅綱朝「若様では御座いませぬか?これは一体、何事で御座いましょうか?」


三宅綱朝は、京の明智屋敷の責任者である。

ちなみに明智秀満の実父である。(60歳ぐらい?)


光泰  「焼き物屋は来ておるか?」

三宅綱朝「来ておりますが、何事で御座いますか?」

光泰  「緊急事態じゃ、詳しくは皆を集めてから話す故、庭に集めよ」


僕は屋敷に居た人達に、坂本城でした同じ説明をした。


店主 「さて、我々はなにをすれば宜しいので御座いましょうか?」

光泰 「旗はどの位、用意した?」

店主 「旗と竹竿を合計五百棹ほど、御用意致しました」


旗は長方形で、やや上の所に明智家の家紋、桔梗紋が描かれている。


光泰  「五百か・・もっと欲しいな。下半分を切って、墨で書いて増やすぞ」

三宅綱朝「旗を切るのは、縁起が悪う御座います」

光泰  「緊急事態だと言うたであろう。

     明智家の旗より、上様の命が大事であろう」

三宅綱朝「殿に怒られませぬか?」

光泰  「心配するでない、すべての責任はわしが持つ」

店主  「旗には、なにを書きましょうか?

     桔梗紋ではむつがしゅう御座いますが」

光泰  「☆の字なら簡単に書けるじゃろ」

店主  「竿は如何致しましょうか?」

光泰  「下半分の旗は、紐で柱に括る。紐は屋敷に有るか?」

三宅綱朝「御座います」

光泰  「良し、では策を伝える。まずは旗を町中にはためかせる。

     これは賊共に、企みが筒抜けじゃと知らせるためじゃ」


これが第四の謀略、京の都に桔梗紋がなんで飾られているの作戦。

これを見た明智光秀は、謀反がバレている。

恐らく、罠がはめぐらされているに違いないと思うかな?

・・・・問題ない、慎重な性格だし。


三宅綱朝「捕まえるのでは無いのですか?」

光泰  「敵の数が、わしらより多かったらどうする。

     援軍が間に合うかどうか解らぬぞ」

三宅綱朝「殿が到着するのは、いつ頃になりましょうか?」


ここにいる人達は、援軍が明智光秀だと思っている。

本当は賊が明智光秀軍で、援軍が羽柴秀吉軍だが、まだ真実は話せない。


光泰  「父上に賊を捕まえてもらう故、人手を多く準備して貰わねば困る。

     明日は、出陣の為に亀山城に人が集まる事になっておる。

     であるから早くて、明日の夕方じゃろう」

三宅綱朝「賊はいつ頃に、現れますでしょうか?」

光泰  「上様は三日か四日に、徳川殿と茶会を行うそうじゃ。

     殺るならそこを狙うであろう」


茶会の話はでっち上げである。僕が知っている訳がない。

ただ、徳川家康は京に向かおうとしているのは確かだ。

織田信長に挨拶もせず帰るなど、失礼すぎて有り得ない。


光泰 「よいか!!!第一に上様を逃がす事を優先じゃ

    第二に賊を追っ払う事。

    捕まえるのは援軍に任せる、以上じゃ」

店主 「今からですと皆様、お疲れで御座いましょう。

    なにか追加の御用意は御座いますか?」


店主はここに来て、もっと儲けようと考えてるな。


光泰 「もう暗くなっておる。策は明日の朝から始めるぞ。

    まずは飯と寝床の用意を致せ」

店主 「御食事で御座いますが、鯛焼きの型をお持ち致しましたので、

    皆様に味見をして貰いとう御座います」


アレ?店主に鯛焼きの作り方を教えたっけ?


光泰  「中身は何じゃ?」

店主  「それは、食べてからのお楽しみで御座います」


ちょいと待って。店主の事だ、具は恐らく高い物ではないだろう。

よく食べられている物かな。しかし、変な物で腹を壊されては困る。


光泰  「生ものは駄目じゃぞ」

店主  「御安心を、今回雇った者達には、もう食べさせております」

光泰  「ならば良し。皆の者、子供達から先に食べさせよ。

     大人たちは、寝床の用意と明日の準備をいたせ。

     京の道に詳しい者は集まれ。細かい策を練るぞ」


詳しいのは、僕と店主と屋敷の者以外が十人か・・少な!!


光泰  「まず、旗に☆を書く者と取り付ける者に分ける」

三宅綱朝「筆の数が、十本しか有りませぬが宜しいでしょうか?」

光泰  「一人五十枚か、問題ない」


旗の取り付けには、紐で括る者と町人に説明する者と、

トラブル防止の為、武芸の得意な人を一人付け、一チーム六人は必要か。


光泰 「六人一組で、四人は取り付け作業を行い、

    一人は不審な者が居らぬか見張り、もう一人は町人共に説明させる」

店主 「私の雇いました者達を合わせまして、百五十六人で御座いますから、

    二十四組、四二棹ずつ取り付けさせるで宜しいでしょうか」

(旗7×6人×24組=1008)


光泰 「流石に、算術が早いのう。しかしお主には、他にやって貰うことが有るぞ」

店主 「どのようなご用件で御座いましょうか?」

光泰 「公家との商いは、どのくらいる?」

店主 「十家ほどで御座います」

光泰 「その中で、発言力がある者は誰じゃ?」

店主 「残念ながら身分の低いの公家様ばかりで御座います。

    上の御方は、古くから付き合いのある商家にしか、注文致しませぬ」


公家を利用して、明智光秀を引かせるのは無理か。

さて、どうするか。京の都での、店主の役割はもう無い。


三宅綱朝「若様、旗を取り付けるの為だけに、これ程人手が要りましょうか?」

光泰  「皆でかかれば、早う終わると思うたのじゃが、何処くらいかかるかのう」

三宅綱朝「都中に満遍なくで、御座いますなら

     卯ノ刻(6時)から初めて、巳ノ刻(8時)には終りましょう」


京の都の全体の大きさは、縦横五km前後ぐらいである。

屋敷が北西よりの二条城近くに在るので、

一番遠い所は縦四km横四km、歩いても二時間で着く。


光泰  「半分でも良かったな」

三宅綱朝「他は京の見回りでもさせましょうか?」


見回りか・・・意味ないけどね。

賊は貴方の子供と、その義父ですから。


光泰  「いや、賊が狙うて居るのは上様のみのはずじゃ。

     御所を襲うとは考えにくい。大義が無う成るからのう」


家臣  「若様、森殿が来られましたが如何致しましょう」


森蘭丸が来たの?流石に早いな。


光泰  「お通しせよ」

茂兵衛 「ボ・・若様、申し訳御座いませぬ(ゼーゼーハーハー)」

お前かいーーーー!!!森違いかいーーーー!!!

光泰  「一体どうした?何故そんなに、息を切らしておる」

茂兵衛 「文を届ける為、安土城に向かいましましたところ(ゼーゼー)」


安土だと・・向かうのは本能寺だろうが!!


光泰  「ああ・・解ったから今日はもう休め。明日の朝に本能寺へ向かうぞ」

茂兵衛は知らなかった。現在、織田信長御一行は本能寺に居ることを。

ゴメンね、ゴメンねーー。教えていなかったわ。

完全に僕のミス。誠にスイマセン。


光泰  「しかし、よくここにたどり着いたな」

茂兵衛 「安土城で行く先を聞いた後、運良く焼き物屋の船が有り乗せてもらい、

     坂本城に戻った後、母上に若様の行く先を聞きまして

     急いで駆けつけまして御座います」

光泰  「待て、お主ほとんど船に乗っておらぬか?」


坂本城と安土城は、琵琶湖を船で渡れば早く着く。

また遠回りになるが、京の都は宇治川でつながっている。


茂兵衛 「途中まで乗せて貰いました」

店主  「安土と堺に卸す荷が御座いましたので、

     その船で来られたので御座いましょう」

光泰  「せいぜい、二、三里ほどしか走っては居らぬではないか」

茂兵衛 「道を間違えましたので、もっと走って居ります」


オイオイ、堂々と言うな!!


光泰  「お主は、飯抜きと切腹どちらが良い」

茂兵衛 「・・・飯抜きでお願い致します」

三宅綱朝「若様はお優しいで御座いますな」


残念な家来、森茂兵衛は失敗した。

まあ、任せた僕がイケないのだが。


ちなみに、店主の作った鯛焼きは中身が魚だった。

味は微妙だったので、こっそり茂兵衛にも食わせた。


みんな不味いとも上手いとも言わず黙って食べていた。

店主以外は・・・・(味オンチだったのね)


茂兵衛を失敗させるか成功させるか悩んでおりました


けしてD×2 真・女神転生リベレーションにハマって

いるわけではございません


六月二十一日には本能寺編完結させる予定です。

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