44 十次郎 みつかる
馬揃えから5日後、明智光秀が帰ってきた。
明智光秀「話は、聞いているな」
十次郎 「新しい菓子の話は、お聞きいたしました」
明智光秀「出来るか?」
十次郎 「試しに、材料を揃えるよう、手筈しております」
明智光秀「そうか、手際良くやっているようじゃな」
十次郎 「揃い次第、取り掛かりとう御座います」
明智光秀「倫子にも、手伝いさせるか」
十次郎 「姉上で、ございますか?」
明智光秀「あの子は、昔から菓子には、目がなかったからのう
良い案をだすやもしれぬ」
これは監視に、倫子姉さんを付ける気か。
味見役にしか、使えないと思うが。
十次郎 「姉上と、新しい菓子を、考えまする」
明智光秀「今年中に、完成させよ」
十次郎 「かしこまりました」
タイムリミットは、今が3月中旬だから、8ヶ月半、
季節は冬、冷たいスイーツなら作りやすい季節だな。
2日後、材料が台所に運ばれた。
様々な果物、小豆、砂糖、小麦粉など、揃えてみた。
後は、元々あった食材を使用する。
餡蜜なら作れるかな。
だが、寒天の作り方を、知らない。
似ている、心太を作ってもらい食べてみた。
十次郎「心太が、生臭くて合わぬな」
料理頭「いかが致しましょう」
十次郎「心太は、無しで作るか」
寒天は、漢字で、寒いに天と書くから、
冬に、心太を天日干しに、してみよう。
もしかしたら出来るかもしれない
十次郎「器は、それで良い」
料理頭「はい、畏まりました」
十次郎「水菓子(果物)を、花弁のように並べよ」
料理頭「こうでございますね」
十次郎「真ん中に餡を乗せ、黒蜜をかけよ」
料理頭「これで、完成でしょうか?」
十次郎「味見をどうぞ」
寒天が無い、餡蜜を食べてもらった。
倫子 「まあ、華やかで、贅沢ですね」
十次郎「美味しいですけど、甘すぎですかね」
倫子 「これで、充分でしょう」
寒天が無いので、物足りないが、
十次郎 「父上にも、食べて貰います」
明智光秀の部屋に行き、
寒天が無い、餡蜜を食べてもらった。
明智光秀「これでは、駄目じゃな」
十次郎 「どこが、いけなかったでしょうか?」
明智光秀「餡の周りに、水菓子(果物)を並べただけでは、満足せぬであろう」
十次郎 「底に、生臭くない心太を敷けば、
旨くなると思うのですが」
料理頭 「生臭くない心太など、聞いた事が御座いませぬ」
明智光秀「他のを考えよ」
そう、簡単に言われてもな。西洋菓子にするか。
何で知っているか、説明が面倒くさいな。
十次郎 「上様の菓子に、牛の乳を入れてもよろしいでしょうか?」
明智光秀「若い頃に、飲んでいたそうじゃから、大丈夫であろう」
よし、これで種類が増える。
戦国時代で、牛乳を飲んでいる人がいたとは、思わなかった
もしかして、織田信長は未来人では無いよな。
もし、そうだとしたら明智光秀を、もう殺しているはずだ。
明智光秀「妙な所で、上様に似ておってからに」
十次郎 「上様は、菓子作りや玩具作りを、なさるのですか?」
明智光秀「周りの者が、解らぬ事を申す所がじゃ」
十次郎 「説明せよと、申されましたなら、
解りやすく説明を、致しますが?」
明智光秀「上の者が皆、理解できるとはかぎらぬ。
柴田や羽柴に、学は無い」
柴田勝家は脳筋、羽柴秀吉は農民だ。
勉強した事が無いかも。
十次郎 「父上の評価は、手厳しゅうございます」
明智光秀「隙を見せたら、大名などやっていけぬ」
十次郎 「次は、父上に満足できる菓子を、用意いたします」
明智光秀「あまり、迷惑をかけぬようするのだそ」
迷惑しているのは、僕だよ!!
十次郎 「心得えております」
西洋菓子の、どれがいいだろうか?
台所に戻り、考えようと思っていたら、
倫子姉さんが、侍女と話をしている。
十次郎 「姉上、どうかなされましたか」
倫子 「弥平次(明智秀満)様の側室が、男子を産んだそうです」
戦国時代では、あたり前のことだが、
側室のいない武将は、少数派である。
十次郎 「それは、おめでとう?御座います」
倫子 「めでたくなど、御座いません」
倫子姉さんは、急いで何処かに行った。
夫の不倫を知った、妻の反応だな。
・・・・・・・・・・・・・・・
そうだ!!! アレにしよう。
アレなら、文句は無いはずだ。
僕は、織田信長に食べさせるお菓子を、アレに決めた。
感想に、もち米と餡も毒ですよと、送ってくれた人ありがとう。
何故か消してしまわれましたがどうしたのでしょうか?
お陰で、この話を思い付きました。




