私と推しとカップリングの問題 4
「リウ!?いたの忘れてた……。いいか、今のは忘れろ。なんだよその顔!忘れろって!!絶対に忘れろ!」
「ウヒヒ、無理無理。みんなに言っちゃお」
「ハイトの社会的立場が悪くなるから!辞めてくれ!」
ハイトの社会的立場か。元々悪い気がする。主にレーゼン関係で。
レーゼンにべったり、近く人には威嚇して、何かあれば容赦しない。レーゼンもハイトに同じようなことしてるけどね。
「じゃあさ、私のお願い事聞いてくれる?そうしたら言わない……かも」
「悪い予感しかしねぇ……でもとりあえず言ってみろ」
「変なの来たらどうすんだよ!」
変?まあ変なことには変わりないんだけどさ。やだなぁ私そんな風に思われてるのか。
「ねぇレーゼン。ハイトを守りたいよね?」
「あ、ああ」
なら了承してもらえるはず。言質は取った。
「ハイト、喜べ!今からレーゼンにその女物の下着着てもらうぞ!それを私に見せろ!それが私の望む願い!さあ!さあ早く!!」
「はぁっ!?おまっ、レウ性格変わってないか!?そんなんやるわけ────」
「仕方ない!やろう、レーゼン!」
●●
レーゼン、最後の方は涙目になってた。それもまた興奮の材料にしかなりませんでしたけど。ハイトも同じだったようで……ごほん。これ以上は言うまい。
元々言いふらすつもりなんてないからさっさと退散してきた。私は空気が読める女だ。
思っていたものとは違っても、あの2人が幸せならいいか。私は恋のキューピッド。手助けをします。私情は挟み…….ますね。
「レーウちゃん。ハイトん家から出てきたよね?どしたの?」
後ろから声をかけてきたのは金髪のチャラ男。お隣に住む年上のお兄さん。ゲームとは無関係の人だけどよく私に話し掛けてくる。嫌いじゃないけど言うことがだいぶ危険。
最初はこんなチャラ男じゃなかったんだけどなぁ。
「遊んでた」
「何して遊んでたの?俺とも遊ばない?大人の遊び、しない?」
するかよ。
私、ノーマルは地雷。特に夢女子のやつは無理だった。なぜ自分なんだ。自分を推しの世界に登場させてどうする。
「危ない薬でも吸うの?辞めときなよ、ただでさえバカっぽいのにもっとバカになるよ?」
「おぉっとレウちゃんだいぶキツイこと言うねぇ。お兄さん泣いちゃうぞ〜?」
勝手に泣いとけ……。この人、こうやって私に構うんじゃなくてよく一緒にいる男友達の人とやってほしいな。私にじゃなくて。
この人とその男友達の組み合わせは私好き。チャラ男とクール系。くっ付いたらどっちがどっち?どっちでもいいな。どっちも好き。チャラ男が攻めてって、クールが崩れるのとか!逆だと、クールは言葉責めしてくんだろな……ああもう早よくっ付け。
「別にいいけど……」
「うわーんレウちゃんが冷たいよ〜。あんまり素っ気ないと俺、悲しくて狼になるよ?」
いやなんで悲しいと狼なんだ。
「勝手になっといてよ。森に帰すから」
「そう来るか〜。そんな風にしてると本物の悪い狼に襲われちゃうぞ〜?良かったね、目の前にいるのはいい狼で」
もう狼なのか。ていうかこの人自分でいい狼だなんて言ってるよ。全くいい狼なんかじゃないし。
「あ、話終わりました?もう行っていいですか?」
「待って待って冗談冗談。ちょっとくらい構ってくれたっていいじゃん?最近ラゼルが構ってくれないんだもーん」
ラゼルというのは、その男友達のこと。
真っ黒の髪の美男子。頭いい。こいつにはもったいないくらい。
「知らない。忙しいんじゃない?どっかの誰かさんと違って」
サブタイの意味が消えてきています…どう収拾つければ良いのやら……。




