私と推しとカップリングの問題 1
1部。次に続く。
シーナの出会った腐女子の子視点です。
あの……だいぶ、そういった描写が苦手な方はやめておいてください…。シンとアレクが〜だとかいうのが出てきます。
突然だが私は腐女子だ。
「クランとロゼは本当に仲が良いよね!見てるだけで和む〜」
「そっ、そんなわけない!こんなやつ!」
「そうですよ!仲良くなんてないですから!クランと仲が良いなんて!」
そういうとこだよ〜と笑いながら私は返すが、内心とても荒れていた。
────これ公式ですよ。ご本人ですもん。やばい公式がしんどい。公式がこんな、こんな……っ!
今日も幸せいっぱいな日々だ……。
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私が前世の記憶を思い出したのは、幼馴染の男の子が男友達とじゃれついているところを見た時だった。
『あ〜やっぱ元気とクールは定番のカップリングだよね……』
この時7歳。7年間の無知な自分は一瞬にして前世の自分に塗り潰された。
前世の私は腐女子だ。アニメもゲームも漫画もなんでも観たしやったし読んだ。絵描きだったから、妄想を絵にして楽しんでた。BL最高。乙女ゲームは絵師仲間に勧められて始めた。登場人物みんなイケメン。好き。
だからここが当時ハマっていたゲームの世界だって知った時はものすごく興奮した。
私はヒロインのリウに転生していた。7歳ではまだ攻略対象には出会えない。早く会いたいという悶々とした気持ちを抱えながら日々を過ごし、5年。12歳。
私は出会った。攻略対象たちと。
見た目、声、仕草。全部同じ。最高ですね。実物で目の前にいる。
ここで私がしたことは前世と変わらなかった。
恋愛なんてするつもりはない。だって彼らには運命の相手がいるんだから!
それからまた5年。
努力の結果、私の周りには理想郷が存在していた。
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他のことに目を向けるなんてことはしなかった。このゲームにはライバル役がいないから、なんの心配もせずにただただ無心で本来攻略対象である男の子たちをくっ付けるべく奔走していた。
ヒロイン特権っていうのかな、攻略対象の前に急に現れても不思議には思われなかった。
でも私からはなんのアクションも起こさなかったから、誰ともそんな仲にはなってないけどね。なるつもりもないし。
理想郷を眺めながら過ごしていたある日、私は自分以外の転生者に出会った。
シーナ。他のゲームのヒロイン。
他のゲームもこの世界には存在すると。凄すぎでは。
確かあれは村での恋愛のゲームだったはず。あ〜、思い出したぞ。シンアレが最高だったんだよね。シンとアレク。アレクにはシンが憧れであり、兄のように慕う存在。シンはアレクを妹の幼馴染で弟のような存在。
この関係が恋愛に変わるのがもう。
ま、2次創作なんですけど。
ノアとアレクも良かったな。本編でも他所から来たノアに、村長の息子ってことで関わることが多かったアレク。
少しだけ年上のノアにリードされるアレク。うん。美味しすぎて涎出ちゃう。
ルフトとノアもいい。外から来た共通点で近づいていく距離。この2人はどっちでもいけたな。ルフノア、ノアルフ。友人が描いたルフノア、あれ良かったな。年下に翻弄されるノアがエロかった。あ、これはRでしたね。
公式ノアが敬語なのが良き。どっちでもいけるじゃん?
なんでも良いわけじゃないんだけど、結構雑食でした。
あのゲームではシンとノアを推してた。シンはもう光魔法の騎士って設定が良いよね。村出身なのに見目良く実力も高いから貴族のモブたちに目をつけられいじめられるシン。モブもいいよね。
ノアなんて長髪でしょ、美味しいよね〜。旅人だし……ふふ、色々妄想しちゃう。
じゃなくて。だいぶ脱線したけど今はシーナ。シーナです。彼女、髪長いはずなんだけど短かった。最初びっくりした。切ったんだって。似合ってた。
シーナの推しはローズ。
ローズって悪役のはずなのに変わってるな〜って思った。シーナからローズの話を聞いてると、全く別人のこと言ってるみたいだったな。しかも隠しルートって。そんなんあったんかい。悪役を攻略するってどんなゲームだ。あのゲームの正規のルートやってたらローズを攻略しようなんて思わないぞ普通。
ローズは最初は悪役らしい動きをしてたっぽいんだけど、その隠しルートの分岐点からおかしくなったって。ローズも転生者なんじゃない?
今シーナは村から出ていったローズを追いかけて……もといストーカー途中らしい。ヒロインが悪役のストーカーをするというなんともカオスな。
ま、攻略対象たちを攻略対象同士でくっ付けようとしてる私も私ですがね?




