第33話 ちょっとぐだぐだしてる。
ミーシャがやってきた。シーナとは途中で別れたって。
「私は今まで通りに見守ってるから安心して、って言ってました!シーナさん、また会えますよね?」
「たぶん会えるけど……ミーシャは大丈夫?」
「やった!今度会ったら教祖様って呼ぼう……」
呼び方はどうでもいいんだけど、色々ミーシャが大丈夫なのかが私知りたいんですが。
「ご両親に話はしたよ。あのまま街にいるよりは全然いいからって」
「これからもよろしくお願いしますね、お姉様!ああもうずっとお姉様と居られるなんて幸せすぎる……」
ミーシャがいいならいいんだけど、お店大丈夫なのかな?客ゼロとかにならない?
「あのお店は大丈夫?」
「あ〜、大丈夫ですよ。元々あんまりお客さん来ませんし、今回のこともどうにか理由付けてなんとでもすると思いますよ。あの子はどこかおかしいと思ってたんだ、とかなんとか。まあ潰れてもどうにかなりますし」
いいのかそれで。
ま、まあこれも本人が大丈夫って言ってるなら大丈夫なはず。そう思ったから兄さんだってミーシャ連れてきたんだろうし、どうにかしてるはず。そんな無責任な酷いことはしないよね、兄さん。
「そろそろ行きますか」
「いやちょっと待ってくれ。シーナに聞きたいことがある。ユーラから弟に何もせずに連れ帰ってくれって頼まれてるんだ」
ラクスを?……そうだよね、弟だもん。あれ?兄さんの同僚さんは兄さんがここに来てること知ってて、どうしてかも知ってて、何か言ってないのかな。怒ってたり、ラクスみたいな反応したり。
「その……ユーラさん、は私のこと知ってるの?」
「ああ、知ってるよ。弟がごめんってさ。どっちが悪いのかちゃんとわかってたし、だから別に属性のことはなんもなかったぞ。弟はユーラのためだし“できるだけ”何もしないで連れてくつもりだけど……何処にいるのかシーナに聞かないと。シーナなんだろ、最後は」
ユーラさんいい人だ。
ラクスって今どうなってるんだろう?シーナが『綺麗さっぱり跡形もなく消すから!』って言って連れて行ったけどそれから知らないな。
「ま、本人に聞くさ。ちょっと待っててくれ」
兄さんはそう言うとそのままどこかへ歩いて行ってしまった。え、どこ行くの。
シーナのとこ?シーナ、この近くにいるのかな?
兄さんは少しして戻ってきた。
「……処分後のことは義業秘密だって。どういうことだ……?いや俺連れてくってユーラに言ったからそれじゃ困るんだけど」
義業秘密。何をしたんだシーナ……。
まさかころ……いや、ないな。そこまでするとは思えない。ルフトだってついてるんだし、絶対止める。
もう一回行ってくる、って言って兄さんはまた消えた。シーナ近くにいるんだね、見守ってるとか言ってるってことは付いてくるってことなんだからそんなことせずにくればいいのに。
おや、私村にいた時よりシーナのことよく思ってるな。シーナは私のこと好いてるのはなんとなくわかる。なんでかは知らない。だってシーナ、転生者でしょ?それで“ローズ”のこと女神って言って……わっかんないなぁ。
不思議な子ってことはよくわかります。
あ、兄さん戻ってきた。今度はニコニコしてる。
「ごめんごめん、ちょっと先行っててくれ。弟拾って一回戻ってユーラに渡してくるわ。夜になる前には追いつく。ローズ、少しだけ行ってくるけど、いいか、何かあったらすぐに連絡するんだぞ。後これ持っててくれ。目印だ。魔道具存分に使えよ」
早口でそれだけ言うと、ニコニコ顔のまま兄さんはまた行ってしまった。そんなにラクスに会うのが楽しみなのかな?
……いや、あれだな。ラクスにお仕置きできるのが楽しみなんだ。わかってしまうのが怖いです。
「嵐のような人だ。行きますか」
感想ありがとうございます!!
そして誤字報告ありがたいです!
これにて2章は終了…のつもりです。お付き合いくださりありがとうございました。
3章ではルス教改革のために暴走します。誰が、とは言いませんが。
2、3話何か挟むかもしれません。明日恐らく更新しますが、ご希望あれば活動報告、感想などにでも一言ください。
いつでも書きます!




