第31話 えーっと?こんなことあります?
短いです
ローズ視点に戻りました
朝。
追われてる状況なのに私は呑気なもので、起きたのは日が昇って結構経った時だった。8時とかじゃないかなぁ。体内時計的に。こっから朝ごはん食べて片付けて出発すると、10時くらいになる。
「起きましたか。ローズには危機感てものが無いんですかね……普通寝れずに一晩過ごしてしまうとかなりそうだけど」
「いやーローズはこのままでいいんじゃないか?休める内に休んどけ」
2人はとっくに起きていて、火を囲んでいた。その火の上で何かの肉が炙られてる。生物は全部私の【収納】の中にしまってるからあれは私が起きる前に狩ってきたんだろうな。
「何か起きてたなら流石に起きる。起きてないってことは、大丈夫だったってこと」
そういうことだよね?
何か危ないなら起こしてくれるはずだし、起きなくてもノアとナラルさんなら私1人くらい運びながら移動できる。
夜の内に結構移動したからまだ余裕あるはずだし。ルス教がどこまで追ってくるかわからないけどね。ずっとだったらどうしよう?流石にそれはないと信じたいな。
「ローズ、調味料出してくれないか。あと野菜。2つ前の街で買ったあれがいいな、あの紫の」
「はい」
影から言われたものを取り出してナラルさんに渡す。
あー、この【収納】の中に魔物の肉入れた時、ラクスに怪しまれたんだよなぁ……。ラクス……はぁ。いや、こんなこと黙ってた私も悪いけど着いてくるって言ったのラクスだし。それで私1人が悪いとか言われてもねぇ?
「ローズ?大丈夫ですか?昨日のこと、引きずってる?」
「え?ああ、大丈夫」
そんな出てたかな?
まあ引きずってるっちゃ引きずってるかな。
でも私、ノアが思うような引きずり方じゃないんだよね。多分ノアは悲しんでるって思ってると思う。
けど実際私が引きずってるのは怒りなんだよね。ラクスの感じ方にイライラしてる。だっておかしいでしょ、どう考えたって!
「……ちっ」
シーナに任せるんじゃなくて、私がきっちりケリをつけるべきだったな。
「よーし、いいぞ。さっさと食べて出発しよう」
●●
肉だったけど、寝起きの朝でも食べられた。
食べて残骸を片付けて(薪の残骸は闇の魔法使って消した)さあ行こう、ってなった時。
「ローズ!」
聞き覚えのある声。
毎日……正確には毎夜聴いている声。あ、朝連絡しようとしてたのに忘れてた。
え、なんでいるの?
「兄さん!?」
「ああああああ久しぶり無事だったか?背少し伸びたな?髪長いローズもいいな、ああローズだ……」
声に振り向けば、すでに目の前に迫っていた兄さんに抱きつかれていた。わしゃわしゃと髪を撫でまくられ、強く抱きしめられている。腕力強くて抜け出せないのに絶妙力加減で全く苦しくない。
「兄さん待って、なんで、なんでいるの!?」
「無事で良かった、いつまで経っても連絡ないから何かあったんじゃないかと思って。慌てて来たら本当に大変なことになってたな。来てよかった」
は?




