第9話 お昼です。
また遅くなりすみません…。
フィオにおススメされた、分厚いベーコンの上に大きなハンバーグみたいな挽肉を焼いたものを乗せてまたその上にキャベツを1枚乗せて、1番上にフライドポテトが大量にかかっているものは、運ばれてきた途端ノアに押し付けて、私はノアが頼んだベーコンとキャベツの炒め物にチーズがたっぷりかかったやつを食べた。
料理名は料理がどんなものなのか想像つかないやつだったから。まさかそんな食べきれない程肉!って料理が出てくるとは誰も思わない。ホラ、向こうに座ってる人も出てきた料理見て思いっきり口開けてる。
ちなみに『ベーコンとポテト〜季節の野菜を乗せて〜』だった。季節の野菜ってキャベツだよね。1枚だけなのに料理名詐欺だ。
「……少し手伝ってもらっても?」
「フィオが作ったんだから、全部食べなきゃ」
「ですがこれは……」
そう、私が作りますから待っててください!って言ってフィオが持ってきたから本当に作ったんだと思う。いつもお手伝いしてるんだろうな。
で、当人は私がおススメを食べなかったのを見て『ま、そうですよね。私も無理です』なんて言ってた。ならなんで勧めた。
さっきまで一緒に座ってたんだけど、デザート作ってきます!って言ってまた消えちゃった。
「仕方ない。半分だけ」
まあ私が押し付けてしまったものですし。
ノアの皿から大量に余ってたポテトとハンバーグを取り分ける。私ももう食べちゃってるからさ、あんまり入んない。
ポテトをつまんで口に運ぶ。あ〜確かにこれはちょっと無理だ。油分が多い。それにノア、タレかけ過ぎ。タレは机に置いてあるタレを自分でかける形式のやつだった。絶対失敗したな。
「っ!?お姉様!」
「ん?」
フィオだ。両手に皿を2枚持って歩いてくる。デザートか。まだ食べ終わってないんだけどな。ていうかこの後でデザートなんて食べられるかな?
「不健全です!間接キスなんて!」
へ?
ああ、間接キス。確かにそう。いやでももう今更なんだよね。1年半も一緒に行動してたらさ。それに間接キスが恥ずかしいという概念が私は前世でも今世でも薄いらしく、最初から大して動じなかった。うわぁ推しが食べたものを食べさせてもらっている!くらいで。
ていうか間接キスって言葉、この世界にもあるのか。
「何度もしていることだけど。それに手伝ってあげないと食べきれない」
「そうですけど!その考えは嬉しいんですけど!貸してください!再加熱してきます!」
アホか。なんでそんないちいちめんどくさいことするんだ。
「無理。今食べることをやめたらもう入らなくなる」
うん、腹が辛いんだ。だから休憩なんて入れたらもう気分が終わりの気分になっちゃうもん。今これを下げられるわけにはいかない。
一気に数本ポテトを掴んで食べる。ノアはまだベーコンが残ってるもんなぁ、それも手伝った方がいいかな。
「うう……お姉様の言うことに反対したくないけど間接キスは認められないという私の相反した心!……でもやっぱり不健全です。許せません。お姉様、ノアさん。それ包むので宿でノアさんが食べてください」
……そこまでするか。
でもそろそろ限界なのは確か。ノアもちょっと前からフォークを持ったまま止まってて辛そうだし。
「わかったよ、お願い」
「……そんな少食のつもりはないんですがね。流石に厳しいです。すみません……ローズ、先に帰ってます」
なんか悪いことしたな。元は私が頼んだ料理だったし。少しだけ罪悪感ある。
いや、罪悪感なんてないや。
ノアは別に甘党じゃないからね、フィオが持ってきた山盛りのクリームを見て帰ったとしても責められない。ポテト食べてて見てなかった。私も帰りたい。
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