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隠し攻略ルートは悪役の私!? 〜乙女ゲームの悪役に転生しましたがヒロインから女神と崇められています〜  作者: 絡鎖
第2章 悪役の私が村を出て旅してる。

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第8話 とても悲しいです。

遅れました…

「おかえり、その子は?」


「フィオラフィフシルアさんです」


ん?もう一回頼むよ、わかんない。


「も、もう一回」


「フィオラフィフシルアさん。待っている間暇だったので話していたんです。そうしたら、フィオラフィフシルアさんが……」


「私があのっ、あなたと、お話したくて!名前長いですよね、フィオって呼んでください!あ、ラフィでもいいです!フィーとかシルアでも!」


ノアの言葉を遮り勢いよく私に話しかけてきた……フィオ、さん?名前長くない?覚えられないんだけど。


明るい茶色の髪を下の方で2つに分けて結んでいる可愛らしい女の子。でもなんだろう、なんで、こんな頰を赤く染めて私を見てるの?


「話?何の?」


「お、お名前を教えてください!ノアさんは、本人に聞くべきですって言って教えてくれなくて!」


「なんで君にそんなことをする意味があるのかな?」


何がしたい?ていうかノア、なんで連れてきたの?見てもニコニコしてるだけで何も言ってくれないし。


「あぅ……そう、ですよね、あの私、あなたのこと、一目見て……好きだな、って思ってしまって……その、恋愛の、方での好き、なんですけど……」


……は?


この子は、私に一目惚れみたいなことをしたってこと?だからこの、赤くした頰に潤んだ瞳……なの?


てか恋愛じゃない好きって何?ただ好みだってだけとか?


「だ、そうですよ。きちんと答えてあげてはどうですか?」


え?え?待って、この子本当にそうなの?私を?だって私女、だよ?そりゃさ、“ローズ”は中性的な顔してるとはいえ、そんなことってある?


あ、そうか。この子はあれだ。同性が好きなんだ。ならありえるか。


「えっ……と、私はその……同性っていうのは考えたことがないから。ごめん、わからない」


可愛い子だけど、恋愛で好きか?って言われると違うかな。恋愛なんて前世合わせてもしたことないけど。


それに出会ったばかりの人を好きになるってもっとわかんないんだよね。


「そう、ですよね…………同性?」


ん?


「同性、って言いました……?」


「言ったけど……」


待ってこの子私のこと本当に男って思ってたの!?うわぁダメージが……。


ノアが口抑えて笑ってる。酷くない?説明すればこの子だって勘違いしなかったのに!


「う、嘘です……そんな、そんなカッコいいのに……」


「悪いけど、私は女なんだよね……」


こんなにがっくりしてるの見ると私が悪いことしてるみたいじゃん。してないのに。


ていうかなんでそんな勘違いされたんだろう?


「ふふっ、だから言ったじゃないですか、街に滞在している時くらい女性らしい格好をしたら?と。ローズは綺麗ですが、僕から見てもどちらとも取れる顔をしているんですから」


おい、お前は笑いを止めろ。そんでシラっと綺麗って言うのもやめて……。


でもさ、ズボン楽なんだもん。村にいた時はワンピースとか着てたけどやっぱりズボンは楽。旅をしている時は誰に見られるわけでもないし、服装なんて動きやすければ何も気にしてなかった。


街では少しだからいいかな、って思って……。


でもさ!ラクスは一目で女だってわかってくれたでしょ!


「髪伸ばしてるし、ホラ見てこれ。髪飾りだって付けてる」


そうなんだよ、髪伸ばしてるし……ってノアも長いじゃん。でも髪飾り付けてるし!シーナから貰ったやつ。


「そういうものも、わざと付けているのかと思う人もいますよ。ねえ、フィオラフィフシルアさん」


なんなんだ、噛まずに名前連呼しやがって。


「はい……冷たそうな人だけど、そういう所で可愛らしさがあるな、って思ったんです……はああ……カッコいいよぉ……」


冷たそうって。私それ気にしてるのに……。


うん、なんかこの子いけない顔してるな。さっきまで恋する女の子だったのになんか変わってるぞ。アイドルの追っかけが線を越してしまったみたいな。


「うん、決めました!女性でも気にしません!ローズさん!いえ、お姉様!恋愛なんて図々しいことは言いません。ただ、この街に滞在している時間だけでいいです。お姉様を見たら話しかける許可を下さい!」


……いや、わっかんねぇ……。







●●







ふぃおらふぃ……ふぃ……うんわかんないや。


フィオは、あれから私たちの買い物にずっと着いてきた。


私の隣、異様に近くを歩いてて歩きづらかったな。お姉様、お姉様って。


それ以外は楽しそうに笑って話す、とても感じのいい子だった。


ねぇもしかしてさ、ノアの隣に私がいると話しかけてくる人がいなくなったのって私が男だと思われてたから?でも男2人なら話しかけるよなぁ、なんでだろ。男も話しかけるのを躊躇うほどの怖い顔だったからとかなら私泣くよ。


「お姉様、この先の角を曲がれば私の家近くなんです。寄って行きませんか?お昼がまだって話でしたよね、私の家、料理店なんです。ぜひそこで」


「いいですね。どうしますか、ローズ」


「なら……うん」


「やった、こっちです!」


私の腕を抱えて嬉しそうにするフィオ。胸大きいな。そうか、私の胸ないからそれもあるのか……。悲しくなってくる。


おかしいなぁ、ゲームのローズはそこそこあったのに。バッドエンド回避できたから胸が消えたか。そう考えたら大したことじゃないや。男と間違えられることは別としてね!

カッコいいと言われたのを否定しない主人公

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