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隠し攻略ルートは悪役の私!? 〜乙女ゲームの悪役に転生しましたがヒロインから女神と崇められています〜  作者: 絡鎖
第1章 悪役の私がバッドエンドを回避するまで。

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第37話 ついに村を出るぞ!これから世界を見て回るんだ!

主人公視点です

村をついに出発する日になりました。


いい天気だ!雲の白と、空の青がちょうどいい具合の比率。穏やかな気温。風は無し。


兄さんでも16で成人してから村を出たのに、私はそれよりも早く村を出る。村長はせめて成人の儀を終わらせてから、なんて言ってたけど村長の奥さんに1年なんて大して変わんないわよ、これだから年寄りは融通が効かないのよねぇ、って言われてその次の日には何も言わなくなっていた。


女は強い。


昼前には出発する、ってことを兄さんに伝えたら本当に来た。


来たのはいいの。嬉しいし。仕事大丈夫なのかな?とは思うけどさ、嬉しいのは嬉しいんだもん。でも、これは何だ。


「これが腕輪。こっちは指輪。で、こっちはブローチ」


なんか大きな袋を持ってるな、とは思ったの。


そこから出るわ出るわ、ものすごい量の魔道具が。しかもそれを全部私に持たせようとするの。


「兄さん、腕輪はもう23個目で、指輪は36個目。ブローチは13個目。持てないよ」


「いくつあっても足りないだろ。で、これが予備の腕輪」


だから持てないんだよね。


【収納】でしまっててもいいんだけど兄さんの渡してきた魔道具は全部身につけていないと効果がないものだし。


「あまり装飾品が多いと変な輩に目をつけられるのでせめて一桁にまで減らしていただきたいのですが」


「……正論だが聞き入れたくないな」


いや聞き入れてよ。


「なら、1つか2つ身に付け、その他の魔道具はローズが魔法でしまっておけばいいのでは?」


「癪だけどな、魔道具は万能じゃないんだ。怪我を軽減するもの、周囲を守るもの、浄化用、治癒用、魔法補助用、迎撃用。他にも沢山あるんだ。時間が無くていい土台が手に入らなかったから少しずつしか入れられなかったんだ。少ないとその分効果が減る」


この魔道具たちの土台は綺麗な石だけど、魔道具には色々なものを使う。


魔法をかけなくても半永久的に効果があるものを魔道具って総称してるから、形は様々。


「兄さん、気持ちは嬉しいけどこんなに持って歩けない。ノアの言う通りいくつか付けて残りはしまう」


そんなたくさんの危機に続け様合うなんてそうそうないと思うんだ。大丈夫大丈夫。それに兄さんが王都に戻る時に加護かけてもらったし、要らなくない?


「……ローズがそういうのなら。これと、これと、これだけは絶対肌身離さず持ってること。いいね?」


不満そうだったけど、よく考えてよ……そんなジャラジャラ付けて旅なんてできないよ?邪魔だし、すぐ汚れそうだし、ノアが言ったように変な人に目付けられたらどうするの。それで襲われたら元も子もない。


兄さんが手に取った3つの魔道具は、指輪とネックレスとブローチ。どれも細かな金属細工で小さいけれど綺麗な石が付けられたもの。これなら目立たないからいいか。


「防御と浄化と……魔除け?」


光と闇、相反する属性だからなのかただ私の魔力量が多いからなのか。渡された3つの魔道具の効果が私にはわかる。


それにしても魔除け。魔除けって?魔法攻撃から守るとか?そういうの?


「さすがだな、ローズ。防御と浄化は絶対だろ。何があるかわからないし、浄化魔法は軽い治癒魔法の効果もある。魔除けは……ふふ」


「……はぁ」


兄さんが魔除けの効果があるブローチを見つめ暗い笑顔を浮かべ、ノアが呆れたため息を吐く。え、何、ノアには何かわかってるってこと?これはなんなんですか!


「おーい、準備できたか?そろそろ行きたいんだが。夜までに近くの街には着きたい。じゃなきゃ初日から野宿だ」


ノアのお父さん、ナラルさんだ。


「すみません。もう終わりです。ローズのこと、よろしくお願いします。そうだこれ持っててください」


兄さんが私の頭をくしゃ、と撫でながらナラルさんに会釈する。その後で魔道具が大量に入っていた袋を漁り、2つの魔道具を取り出した。


「魔道具か。ありがたく使わせてもらうよ」


「どうせ僕たちがどうにかなればローズが危険だから、とかしか考えていないんでしょうね」





最後までノアと兄さんは睨み合ってた。


村の端まで兄さんは手を繋いで見送りに来てくれて、母さんが反対の手を握っていた。私この世界ではもう15で、前世合わせると30超えてるんですが!?恥ずかしい!


けど振りほどくことはなく、最後に2人から抱きしめられた時も強く私から抱きしめ返していた。


じゃあ、行ってきます!……というところで父さんが走ってようやくやって来て、まだそれを繰り返したんだけど悪くなかった。





「寂しいですか?」


「大丈夫」


「心配すんな、これからは俺のことを仮の父親って思ってくれていいからな。あ、呼び方もお父さんで……」


「無視して結構です。ジジイとでも呼んであげてください。泣いて喜びますよ」


「泣いて悲しむから!」



大丈夫。ゲームの世界はもうとっくに終わっている。私は、これから外の世界を楽しむんだ。


































「行った?行ったね?よし、るーくん。目印は付けてあるから、お世話になった人に挨拶して夜に出て行こう。野宿万歳、女神のためならどこへでも」


「……ま、いっか。そういえばアレクさんのこと、どうするの?」


「……し、知らない」



これにて一章終了とさせていただきます。

二章からは世界を旅しつつ、後ろからのストーカーに怯えつつ、おかしな世界を目の当たりにしていきます。


引き続きギャグ全開のおかしな彼らをよろしくお願いします!!




そして一章の間に感想を下さった方々。ブクマしてくださった方々。ありがとうございます。何度ももらった感想は、とても励みになってます。本当にありがとうございます。感謝です…!

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