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隠し攻略ルートは悪役の私!? 〜乙女ゲームの悪役に転生しましたがヒロインから女神と崇められています〜  作者: 絡鎖
第1章 悪役の私がバッドエンドを回避するまで。

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第26話 お預けですか?

「屈辱です……こんな……こんな……」


「まだ顔青い。そんなに辛かったならもっと早く言ってよね。ま、無様な醜態晒したのがあんたで良かったけど」


絶対ノアが辛いのわかってて止めなかったよね、シーナ。


ノアが地面に降りた後、シーナと私はしばらく降りずに飛んでいた。また飛びたい。あれは楽しい。


その間ノアはうずくまったままだった。途中で木の下に移動してたけど。上に居る時ちらって白いものが見えたけど、私たちが降りてきた時には何もなくなってたからそれについては言及しない。これは暗黙の了解。シーナも空気読んでくれてる。


「で、さ……ローズちゃん。私、ローズちゃんに伝えたいことがあるの」


なんだかシーナって、ノアへの態度と私への態度違うよね。私には優しいのにノアへは辛く当たってる。そんなにノアは悪いことするのかな。いや、したのかな?でも私もしたっちゃしたんだけど……。


「何」


「……えっと。ローズちゃん、こいつと村から出るって聞いたの。だから、今ローズちゃんが居るうちに言わないと私絶対後悔するって思って」


何?怖いんだけど。ていうかそれどこで知ったの。私ほとんど誰にも話してないよ。父さんと母さんとお隣のおばちゃんと村長。村長からアレク経由で伝わったのかな?でも村長はそんなこと言うはずないし……。


ノアはまだ気持ち悪そうなまま、木に寄りかかってる。「うぅ……好奇心は時に毒……頭がぐるぐる……」とかブツブツ言っててこっちの話は聞いてない。


「私……私、ね。好き……なの」


「えーっと。誰が」


「私が」


「誰を」


「……いやっ!恥ずかしいっ!もうっ!言わせないでよっ!」


始めたのはお前だよ。


顔を赤く染めて両手で頰を抑える様子はとっても可愛らしいんだけど、いや言えよ。後悔するって言ったじゃん。


……ん?それ私に言うの?好きな人を私に言わないと後悔するの?どういうこと?


「待って、やっぱり無理ぃ〜!」


行っちゃった。あの……待ってほしいのは私なんだけどな。あそこまで言ってたんだから、ちゃんと聞きたかった。お預けなんてないよ。



後に残されたのは、青白い顔でうなだれてブツブツ言うノアと、ポカンとしたまま突っ立って居る私だけだった。







●●






自分で自分に回復魔法をかけたノアは、まだ少し青い顔のまま疲れた笑顔で行ってしまった。


なんでも、『精神面でやられました。今日は彼女の勝ちです』だと。あんたら何の勝負してたの?


で、夜。私は自分の部屋で薄い箱型の魔道具を手に持ってずっと悩んでいた。


「なんて言ったらいいんだろう……」


兄さんだ。兄さんになんて言えばノアと村を出ることを許してもらえるのかな。反対されてるのに行きたくはない。納得してもらってから行きたい。だって、兄さんのことは好きだし。大事にしてもらってる自覚はある。それを裏切るようなことはできない。


片手に収まる大きさの魔道具を左手で握り、上の方にはめ込まれた緑の石を撫でる。ここに魔力を流し込むことで兄さんの持つ魔道具と繋がる仕組み。


私の持つ魔道具にはめられた石は緑。兄さんの瞳と同じ色。反対に兄さんの持つ魔道具の石は黄色だった。私じゃん。


そんなことを考えながら石を撫でていたら、無意識のうちに魔力を流してしまっていたらしい。


「わっ、ど、どうしよう、待って、まだ心の準備が」


『ローズ?』


さすが兄さん早いっ!


……違うんです関心してる場合じゃないんです。


「か、かけ直す!間違えたの!」


『……待ってくれ、ローズ。少し話したい。声が聴きたいんだ』


疲れてそうな声。そんなに仕事大変なのかな。声が聴きたいのはいいんだけど、ならノアと村を出るなんて話今日はしない方がいい……?


「わかっ、た」


『はぁぁぁあああああ。もう、ほんと。毎日毎日辛いんだ。ローズがいなくて。どこを見ても男男男。家に帰っても男が迎える。女なんてさ、下心丸出しで話しかけてくるんだ。あんなの耐えられない。ローズで癒されたい。むさ苦しい。辛いよ、ローズ……』


……それが理由か。


なんでこんなにも“シン”に好かれてしまったのだろう?“シン”がシスコンキャラだったなんて知らなかった。


変えてしまったみたいで申し訳ないな……。


「兄さん、私には何もできないけど頑張って」


『ありがとう!その言葉で明日も頑張れ『女の声聞こえんぞ!女連れ込んでるのか!?俺にも紹介しろ!』おいっ!オーマ、勝手に入ってくんな!【神撃の光(天罰)】!『待てってそれは無いってうわぁぁぁぁぁあああああああああああああああああ!?』』


ものすごい音が魔道具から聞こえてきた。ドカーンッ!バキ、ドゴッ、みたいなの。


大丈夫かな?


『ごめんな、ローズ。もう邪魔者は殲滅した。安心して話せるぞ』


「すごい音したんだけど……向こうの人大丈夫なの?」


『あんなやつ心配しなくていいんだ。俺とローズのひと時を邪魔したんだからな。天罰が下ったんだ』


いや兄さんが攻撃しましたよね?


……兄さんを怒らせたら怖そうだな。



読んでくださりありがとうございます!


ブクマ、そして感想ありがとうございます!!

とっても嬉しいです!

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