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隠し攻略ルートは悪役の私!? 〜乙女ゲームの悪役に転生しましたがヒロインから女神と崇められています〜  作者: 絡鎖
第1章 悪役の私がバッドエンドを回避するまで。

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とある令嬢が見た騎士

本編ではありません。

兄、シンのこと、に近いですが他のキャラ視点です。

「ねぇねぇ、見て、あそこっ!外よ、庭園の方!」


「え?……うわっ!こんな所にいらっしゃるなんて!休憩かしら?」


「今日は一段と素敵よね、あの物憂げな表情……」


「何を考えていらっしゃるのかしら。私たちには想像もつかないようなことなんでしょうね」


「少し挨拶していきましょうよ、もしかしたらお話を聞かせてくださるかもしれないわ」







白みの強い、柔らかな雰囲気のある銀髪。森の緑を思わせる深緑の瞳。優しげな表情、明るい性格。光の魔法を使うこの国の騎士。出身は王都から遠く離れた小さな村だが、実力は申し分ない。


彼の名を、シン。


16で1人王都へやって来て、衛兵からスタート。その生活で魔法の才と剣の腕を磨き、元々才能があったらしく18で騎士へ。最初こそ光の魔法を使う者だから優遇されたと言う声もあったが、今ではそんな話は全く聞かない。


才能と彼の見た目で多くの女を魅了しているが、彼自身は気がついていない。


20になる彼には縁談の話もいくつか来ているらしい。光属性の魔法の使い手ならば出身がどこであろうと結婚に障害はない。



「で、どう見ても今度はあのゲームの攻略対象なのよね。この前故郷に帰っていたし、そろそろ病でまた戻る頃かしら」


私はとある貴族の娘。まあそこはどうでもいいのよ。問題は、あの騎士も本物かどうか、なのだし。


私には前世の記憶がある。


最初はやった異世界転生!って喜んだのよ?すぐに現実を見ることになったわ。この世界、複数の乙女ゲームが合わさってできてる世界なの。大好きなゲームの舞台の国に生まれ、成長するにつれて他のゲームも混ざっていることに気がついた。もうほんと、グダグダよ。


王子と従者、貴族の坊ちゃんたちにヒロイン。


第2王子と隠し子に、貴族の坊ちゃんたちとヒロイン。


ええ、平民の学校でも同じように乙女ゲームの世界が繰り広げられていたわ。うまい具合に登場人物が調整されて、ね。


面白いわよ、ヒロインが何人もいるの。同じ転生者にも会ったわ。常識を持った転生者もいたけれど、精神障害なんじゃないかっていう子も居たわね。ヒロインだからって自分が世界の中心だと思っているの。ヒロインはたくさんいるのにね。哀れな子たち。医者を勧めたわ。


まさか村での恋愛の、あの乙女ゲームの世界まであるとは思わなかったわ。


他国には魔法が発展していない国もあるみたいだし、魔法が出てこない乙女ゲームもこの世界にありそうね。一度キャラとヒロインを見てみたいわ。目の保養に。


乙女ゲームの攻略対象になりそうなキャラはみんなイケメンだからすぐにわかるわ。


この前抜け出して森の奥の方へ散歩へ行ったのだけど、そこで見たのは竜が燃える赤髪の男の姿へ変わる所で、やっぱりイケメンだったもの。あの人も知ってるキャラだったわ。


私は何の登場人物かって?


それが私はモブですらない。結構美人の顔だけれど、私は見たことないわねこんな顔の登場人物。ヒロインなら逆ハーうはうはだったのだけど。仕方ないわ。


もしかしたら私が知らないだけかもしれないという望みは捨ててないわ。希望は持たないと。


異世界だし、魔法だし好きなキャラを見ることができるしで毎日楽しいのだけど不満があるとしたらこの黒い髪ね。真っ黒で、少し手入れを怠ってもツヤツヤなのはいいの。前世の私の髪はほっとけばくるくるもさもさで見てられなかったから。でもせっかく異世界なんだから地毛はあり得ない色が良かったわ。赤とか。紫とかでもいいと思うわ。異世界だから許される。


お母様とお父様はお2人共淡い金よ。素敵だわ。そんな2人から私が生まれたんだから色々言われたらしいわ。お母様と他の男との子だとか。外はたくさんのことを言ったけれどお父様とお母様は余計に仲が深まったわ。元々良かったのだけどね。


お父様なんて、『これは僕たちへの試練なんだよ!』て言っていたのよ。


目は黒じゃないのが救いね。私の家系は代々金の瞳だからそれでお父様との子だって証明できたわ。


ただそれは私の魔法が原因なだけなのだけど。


私は複数の属性の魔法を使える。闇と、光よ。これだけ聞いたら最強よね。まだ使いこなせないけれど。お父様とお母様は知っているわ。でもその他の人に知られることがないようにしているわ。闇と光ってだけでも充分なのに、それを両方だもの。バレたら他国へ行かないように行動を制限されるに決まってるわ。最悪言いがかりをつけて一家丸ごと潰され、私は良いように使われるだけだわ。


まあ私のことはもういいの。


今はあの騎士のことよ。


光属性の魔法の使い手で、私も光属性の魔法の使い手だと知っている。お互いなんだかわかってしまうのよね。何か察したのか周りには言ってないみたいだけど。いいことだわ。


挨拶をする仲から、世間話をする仲、少し自分のことを話す仲、までに発展しているけど私が一番知りたいのは村のことよ。


村のことは頑として話さないわ。いつか聞かせてもらうから。


でもあまり近寄ると蹴落とし合いが始まるから人の目がない所じゃないと。


戻ってきてからはもう前の彼じゃなくなったみたいで話どころじゃないのよね。ええ、わかるわ。ヒロインでしょう。妹さんがヒロインに何をしているのか心配で心配で仕方ないのよね。


2人の女が彼の元へと近寄って行く。彼女たちが居なくなったら話かけてみましょう。今日こそ聞かせてもらうわ。

これからも彼女が出るかはわかりませんがこの話は続きます



ブクマありがとうございます!

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