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隠し攻略ルートは悪役の私!? 〜乙女ゲームの悪役に転生しましたがヒロインから女神と崇められています〜  作者: 絡鎖
第1章 悪役の私がバッドエンドを回避するまで。

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第22話 謎です。

後半シーナ視点

「近くでお手伝いしてたんだ。今日はね、荷物運びみたいなことした。重いものがあるから風で浮かせて。結構早く終わってね、さっきのとこにローズちゃんが見えたから来たの」


「へ、へぇ……」


夕方、リリスと別れた後私はシーナと一緒にいた。結局シーナは最後までリリスと私と遊んでたんだよね。リリスは楽しそうだったけど。


「楽しかったな、ローズちゃんと一緒に遊べて」


遊びっていうか子守なんだけどね?リリスは1人にするとしょっちゅう勝手にどこかへ行って村の中だとしても迷って泣き出すから、誰かが見てないといけない。小さい子なんてそんなもんだよね。


それにしても楽しい、か。


ローズ()といてシーナは楽しいのか。転生者で、私が悪役だと知っているのに楽しい?これはどういう意味だろう。


「楽しい?私は君にだいぶ酷いことを言ったと記憶しているのだけど」


「んー。だってそれはローズちゃんの立場からしたら普通に言うことじゃないかなぁ。私でも言うな。恋人に変なのが近づいてきたら牽制するもん。しつこく私がアレクくんに付き纏ってたのがどう考えてもいけないんだよね。……ごめんね、自覚はあるんだ」


ん?ん?


前にも聞いた気がするけど、私の立場をわかった上であの行動をしていたの?しかもいけないことをしている自覚がある、と?


「アレクは好きじゃないと言っていたね。なのになんであんなことしたの」


好きじゃないのになんで“ローズ”の邪魔をしたの。好きじゃないならする意味なくない?“ローズ”が傷付くこともなかった。


「……それは、本当に悪いと思ってる。ローズちゃんにも、アレクくんにも。でも仕方のないことだったの……って言っても許されないのはわかってる」


「わかってる……?わかってない。私はいいの。アレクはもう好きじゃないから。でも、アレクの幼馴染みとして言わせてもらう。アレクの想いを踏み躙った自覚、本当にあるのかな。私に恋をしていたかはわからない。幼馴染みとして好きだっただけかもしれない。だとしたらアレクにとって君は初恋だったんだ。君がアレクの立場だとしたらなんて感じる?」


まあアレクは結構自業自得なとこがあるけどね。ローズ()があんなにアレクを渡すまいとしていたのはシーナが来るまではアレクとも仲が良くてお互い恋人みたいな雰囲気だったから。なのにローズ()を捨ててシーナに行って、結果シーナに捨てられるっていう……なんとも残念なイケメンだ。境遇も中身も。


でも幼馴染みではあるんだよね。最近話さないけど、小さい頃は風呂も一緒に入ってた仲。かわいそうと思うだけの気持ちはまだ残ってる。


「それは……すごく、悲しい。絶望する。生きてけない。辛い。この世が地獄と化す」


そこまで!?後半になるにつれてどんよりとしたオーラが強くなってるし。適当な言葉を並べただけじゃないってのはとてもよくわかります。私はシーナに悲しいってわかってもらえればよかっただけなのですが。


「わっ、わかったならいい。それとアレクには一度きちんと話して謝るべき」


「うん……すごくよくわかった……謝る。すごくよく謝る……謝ってくる。……謝罪をしないと……アレクくんはあんな思いを……無理、耐えられない……神が居なくなれば光は消えるよね……」


暗いオーラのままシーナは私を置いてとぼとぼと歩いて行ってしまった。


あれ。なんかものすごいことになってない?そんなつもりじゃなかったんだけど……。


「絶対おかしい……。隠しルートが関係してるの?」


隠しルートを私は知らない。


わかっていることといえば、シーナは隠しルートの攻略対象が好きでノアが悪役。ノアが悪役?


え、普通そこは女じゃないの?ていうか私悪役じゃないのか。よかった。ノアが悪役ってどういうことだろう。シーナに何かしてる?それとも、攻略対象に何かしてるのかな。シーナとくっ付きたいから?それとも相手が好きだから……?待って待って、そうなるとノアは、ノアは……同性が好き?


シーナが好きなのだとしたら違うけど、シーナが好きじゃないのならそういうことだ。ノアの相手。気になる。同性愛に偏見はない。いいと思う。自由で。私、ソッチも美味しいと思う。全然リアルでも見られる。完全に腐ってるわけじゃないけど、それはそれでアリだと思う。


嫌な人もいるみたいだけどね。


攻略対象に何かしてるとしたら?シーナとなんだか言い争うこと多いけど……言い争ってるね。あれは痴話喧嘩じゃない。雰囲気が全然違う。


じゃあノアはそういうこと?……いや、もう一つの可能性としてシーナがそういう可能性もある。隠し攻略対象は女、とか。


どっちにしろ私はもう悪役じゃない!


木黒くしたりノアの足黒くしたりしちゃったけど、もう悪役じゃないんだ!やったぁ!!



バッドエンド回避成功じゃない!?これ!






●●






女神が最近ご機嫌だ。


私はこんなにずーんとしているのに。


「シーナ、ここはこう、だ。そうすればうまい具合に燃え上がってくれるはず」


アレクと話して、謝った。そしたらなんか火を付けてしまったらしく、「シーナの心を取り戻せるように頑張るから」なんて言われた。


私の心はいつも女神にあるのでアレクが入る隙は無いんだよね。……いや、本当に悪いと思ってます。


女神に言われたこと。


お互い想い合ってると思ってた人にあなたは好きではないなんて言われたら?


もし、私がその立場なら?


女神にあなたは好きじゃないからなんて言われたら私……私。絶対立ち直れない。世界は地獄。女神は存在するけれどきっちりと断絶のお言葉を頂いている。そんなの耐えられるわけない。


ものすごく酷いことをしてしまった。


その罪悪感とアレクのアタックで精神的にものすごく疲れる。


女神は笑顔が多くなった。笑顔なんてお兄さんの前でしかほとんど見せなかったのに。最高。心のアルバムが無限に増えてく。


まあ、ほんのわずかな変化で少し口角が上がってるとかなんだけどね?最高じゃない?


小さい子の面倒を見ている時の女神は本当に女神だ。神々しい。素晴らしい。


お手伝いが早く終わればすぐに女神を探すんだけど、終わらないと青いのに先を越されてたりする。あれは悪魔。


最近なんてアレクが私の所へくるから女神を拝む時間が少ない。アレクのこと邪険にはできないし。……こういうのがいけないのかな。もっと女神みたいに冷たくすればいいのかな。無理だな。



なんかこのままだと青い悪魔に女神が攫われそう。あいつ足がほとんど治ってきたからもうそろそろこの村出るんだって。それまでに決着を付けないと……。









感想頂きました。

とても嬉しいです!

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