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隠し攻略ルートは悪役の私!? 〜乙女ゲームの悪役に転生しましたがヒロインから女神と崇められています〜  作者: 絡鎖
第4章 悪役の私が世界を知るまで。

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第27話 それでも心配なものは心配なんです。

転移先は外かと思ってたんだけど、室内だった。


「この死体どうにかしなきゃな。復活されたら困るし……」


「死体が復活ってゾンビみたい。……じゃなくて。この人たち最後に見た時よりぼっろぼろなんだけど……兄さん何したの?」


「そんなことない。まだピンピンだろ?壊すところ有り余ってるし……」


「捉え方がおかしいよ兄さん……」


床に折り重なって倒れる3人の男女。ルス教幹部ですね。


服や髪はボロボロ血だらけ、ピクピク動いてるから生きてはいる。治癒はしてたみたいで生傷は見当たらない。ルスがグロいって言ってただけあるよね。血の量半端ない。


「冗談はさておき。早くしないと下の余波きそうだしな。とりあえず門まで行ってナラルさんとアレクに現場説明しよう」


全然冗談っぽくなかった。







●●







「闇に破れ囚われるなど!くっ!殺せ!」


「このっ、もうっ!(ほど)くか、位置をずらすかしてくださいます!?胸が苦しいの!」


「ぜーんぶ失敗か。……洗脳する?」


様々な反応で騒ぐ幹部3人。


聞いてるだけでお腹いっぱい。


兄さんはナラルさんとアレクに今までのこと話してるし、これは私に話しかけられてるってことだよね。反応すべき?して平気?


「殺さないし胸の形崩れて欲しいし洗脳の仕方わからないし。くっコロってあれだよね、女騎士のエロ漫画導入みたいな……やだなぁ、なんで私こんなの覚えてるんだろ。ていうか胸が苦しいとかパワーワードすぎない?そんなの経験したことないんだけどどんな感じなの?で、全部ってどこからどこまで?神を降ろすのは成功してるでしょ、それでも全部失敗ってことはそれ以降のことってこと?」


ルス、大丈夫かなぁ。まだ私たちが生きてるってことは世界は大丈夫なんだろう。でもルスが負けてるのか勝ってるのかはわからないな。気になる。大丈夫かな。


でも私たちがルスのこと信じないとだもんね。大丈夫。ルスは大丈夫。


「胸への当たり強すぎませんこと!?親の仇みたいな目で見ないでくださいまし!」


こんなのがルス教幹部なんて信じらんない。


「胸の心配ばっかりしてる場合?私と君たちは敵同士、そういう捉え方してたんだけど間違いだったかな」


そう、忘れそうになってるけどこの人たちは最大の敵であり、乗り越えた敵。負けて捕まってるのによくこんな態度取れるよね。逆の立場ならたぶん殺されてたんだろうな。


私たちが命取りそうにないから舐められてるのかな。……確かに殺す気はないけどさ。


「そうだ!闇と馴れ合うわけがない!くっ殺せ!」


「……もう飽きたよそれ」


「ははーん、嫉妬ですわね?自分に無いからって嫉妬してるんですの?」


「……偽乳疑惑ある人に言われたく無いなぁ」


「神はどこ?他の者は?」


「教えないよ」


兄さんたちの話、そろそろ終わるかな?この人たちの相手飽きたな。私も早く探しものしに行きたい。必要ないものだとしても、何もしないより何か行動していたい。


ちょうどよく兄さんがこっちを見た。終わったかな?


「そいつら壊して平気だぞ?」


「なんでよ」


にっこり笑ってそんなことを言われた。


だからほら、後ろがうるさくなったよ……。やっぱり洗脳!殺せ!胸!闇!って。兄さんじゃないんだからそんなことしないよ、私。


「兄さん行こうよ、私たちも探しに行こう?何かあってからじゃ遅いし……」


「ああ、行くよ。ただ、さっきから向こうがやけに静かっていうか。もう少しだけ待ってくれ。魔力もちょっと心許ないし」


静か?向こうって、……どこだろ?うるさかった場所なんてないし、ここで音って考えたら待ちの方?


もしかして、ルスの方?戦闘音?でもここまで聴こえてなかったよ?それが正しいとして、静かってどういうこと。終わったってこと?全部?終わったのならルスが無事か確かめに行かないと。


「ルスの方?わかるの?終わったの?ルスは無事?」


「ああ。でもまだわからない。聴こえなくしたのかもしれないし。だから少しだけ待とう。様子見て、このまま何も無かったらそれはそれでいい。アイツが勝ってたら世界は消え去るんだろ。何も無いってことはルスは無事だ」


無事ならいい。そっか、何もないなら無事。そうだよね。ルスがチャラ男をどうにかしないとこの世界は消えて無くなる。


残ってるってことは、まだ大丈夫ってこと。

あと少しだけ…あと少しで終わりなので……!

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