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隠し攻略ルートは悪役の私!? 〜乙女ゲームの悪役に転生しましたがヒロインから女神と崇められています〜  作者: 絡鎖
第4章 悪役の私が世界を知るまで。

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第24話 作戦成功、次はなんです?

ルスの真下に来た。そしたらちょうどルスも下を向いた時だった。なんか不思議な表情をした後、ニヤリと笑った。なんでだ。でも理由はわからないし、そんなことを考えている場合じゃない。


チャラ男はルスから目を離している。


今だ。


「ルス……!」


影から半分だけ出て、地面に座り込むルスの体を抱き込み影の中へと引き摺り込む。


できた!やっぱり他人入れることできたんだ。良かった、うまくいって。


「ふふ、だいぶ強引、だね……?」


「正面突破よりマシでしょ?勝ち目無いし……ねぇ大丈夫?短時間ですごくやつれた感じが……」


「ん、もう大丈夫」


もう大丈夫、と言ってもどこか疲れているような感じがする。私たちが来る前に何かされたのか、それともこの変な紫の光を放ってる鎖のせい?


あれ?でも鎖、なんだかさっき外で見た時より光も薄いしボロくなってるような……?


「後ろの鎖引っ張ってくれない?脆くしたし、一箇所壊せれば外れるでしょ」


脆くした。


鎖って鉄ですよね。脆くできるんだ。初めて知ったよ……。でもそっか、土属性の上位魔法だと武器魔法で作ったりするらしいし、作り出せるのなら壊すこともできるか。


「OK、……あ、髪の毛鎖に挟まって絡まってる」


「えぇっ!?やだ、道理で何か引っ張られて痛いと思ったよ……」


「切る?このくらいならノアも怒らないと思うし、伸ばしたくて伸ばしてるわけじゃないって言ってたから」


前に聞いたことあるんだよね。髪長いの大変じゃない?それとも趣味?って。すぐに伸びるから切るのが面倒、とは言ってたんだ。でもあれだけ長いと色々大変なはず、それでも切らないんだから何か理由があるんだと思って。


返ってきたのは、「趣味?まさか。朝きちんと梳かさなければぼさぼさになりますし、戦闘中顔にかかりますし。大変なことしかないですね。伸ばしたくて伸ばしてるんじゃないんですけど、もう習慣になってしまったというか慣れたからいいというか……」だった。


要はいちいち切るのが面倒ってことですね。自然に任せろ、と。


「駄目っ!……この髪(長髪)ボク好きなんだ、どうにか切らないで取れない?」


いきなり大きな声出すからびっくりした。ルスのことだしそんなの気にしないと思ってたんだけどな。髪や見た目なんてどうでもいい、みたいな。


でも私もノアの長い髪は好き。ノアに似合ってるし、元々ノアが私の最推しになったのは長髪キャラだったから、っていうのもあるし。女の子の場合もショートよりロングが好き。


取れるかなぁ、だいぶ絡まっちゃってる。


鎖の隙間に指を捻り入れ、髪を引こうとした時だった。パキ、と軽い音を立てて鎖が割れる。


「ぅへっ?」


変な声出た。どうなってるの、鉄。


一箇所割れれば連鎖的にパラパラと、どんどん鎖は落ちていく。


「やった、髪無事だね?ありがとう、戻ろうか。時間が無いんだ」


私が手伝わなくても少し力かければ取れたんじゃないかなぁ。








●●








チャラ男が荒れてる。


ルスが居なくなったのに気が付いて、めちゃくちゃ怒ってる。こっち見てるよ、チャラ男。影の中って気がついてるんだ。


「早いところ戻った方がいい。今の彼ならこの影に干渉するなんて容易いよ。話が通じないんだ、ここの魔法が解かれたらローズちゃんの命はもうないと思っていい」


怖い。でもルスの言う通りらしくチャラ男は影へと手を突っ込み、ここを解除すべく干渉してきた。


気持ち悪い。無理だね、耐えられないや。退散。


「チャラ男をどうにかする案、何かあるの?」


「いや……あるには、あるんだけど。できるかは、わからない。……ノアくんが戻れなくなるかもしれないから」


それは嫌、だな……。でもそうしなきゃチャラ男に勝てないんだとしたらしなくちゃいけないこと?私には決められない。私が決めることじゃない。


セネルとエスペラールはすでに戻った後だった。まああんなになったチャラ男の近くに残ってたらただの命知らずだもんね。






「ああ……ルフトくんは耐えられなかったのか」


兄さんたちの元まで戻って、ルスが一番に発した言葉はそれだった。


「良かった、大丈夫だったのね!残ろうって言ったのに、エルが転移しちゃうから」


「正しい判断だったよ。ボクでもそうする」


まぁね。私のせいで他の人がどうにかなるのは嫌。ここに来てるのもほとんど私のせいなのにこれ以上迷惑かけられないし。


ルフトはまだ目を覚まさないらしくシーナが心配そうな表情で、目を閉じルフトに魔法を使う兄さんを見ている。


その2人の元へ ルスが近づき、兄さんの頭へ手を置いた。


漂う光が不安定に揺れ、兄さんが目を開ける。


「どう?大丈夫そう?」


「ぁ……ルス……?あ、いや……きつい、な。出し惜しみをするつもりは無いけどこれ以上魔力使うと、転移できなくなる」


「うん。それは大問題。逃げることさえ出来なくなったら助けるどころじゃないもんね。管理オプション、該当個体の状況を一時固定。これでこの戦いが終わるまでは大丈夫。終わってから治そう。ボクも協力したいところだけど少しでも力は温存しておきたいんだ」


優しい笑顔でルフトの頭を撫で、ルスは私の方を見た。


「ローズちゃん、死ぬ気はないよね?ルフトくんを影の中へ。ローズちゃんがどうにかならなければ1番安全な場所だ。よろしく」


それって収納の中?それとも街?


どうにかなる気はないけど、人の命を実際に背負うってプレッシャーすごいよ。今までなら間接的にだったのが、これでもし どうにかなれば私が手を下したのと一緒。


責任重大です、私。

感想、誤字報告ありがとうございます!

とても助かります!!


眠い…誤字、支離滅裂な文章になってたらすみません……気がつけば書き直します…おやすみなさい…

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