第16話 やばめじゃないですか?
短いです。本当に短いです。
「駄目、駄目だよ……起こしたんだ。せっかく、せっかく人が苦労してやったものを……てかなんで死んでないの……嫌な気はしてたけど……くっそ、不味いな」
兄さんが行った後もルスはずっとブツブツ独り言を言っている。
「不味いって何?ミーシャたちは大丈夫なの?」
「え?……ああ、多分ね。向こうの陣地に入り込んで無ければ……無事なはずだ。彼が間に合っていればいいけど……どうする、今から探すのは絶望的だな。どうすればいい?」
陣地って何?探すって何を?ルスが、この世界の神がこんなになるほどのことが起きてるってどういうこと?世界の危機みたいな?
なんか話おっきくなってるな?
「しーちゃん……」
「ルフト……」
そうだよね、心配だよね……。私も心配。ミーシャも、シーナも、セネルとエスペラールも。行った兄さんのことだって。大丈夫、だよね?
「は心配してないけど。ミーシャさんたち大丈夫かなぁ……?」
だと思ったよ。ルフトとシーナの関係ってどんな感じなんだろう。大切に思っているんだろうけど扱いが雑だよね。
「今できることを全力でやろう。……クソ、だからこの状況、か……。ボクをヒトの身に押し込めて、全力を出せない内に葬る。ハッ……足りない頭なりに考えた結果か。……ああもう!」
で、ルスはさっきから何を言っているんだろうか。よくわからないけど、良くないことなんだろうね。
説明してほしい。詳しく言えないのならそれでもいい。ただ、どうすればいいのかだけでも教えてほしい。
「否定派と関係あること?ルス、君が倒れたらノアもいなくなる。何かできるのならしたい。手伝う。だから私たちが知っておくべきこと、教えて」
「……ああ、そっか。この体にいる内は協力者がいる。うん、オッケー。ボクさ、敵がいるんだよね。ずいぶん前に倒したと思ってた奴が。この否定派?が、そいつ起こしたみたいで。ていうかここにいたからここが察知しづらかったんだね。それと否定派が組んでボク狙ってるの。ぜーんぶ倒さなきゃこの世界は消える。ボクの願いは世界の存続。奴の願いは世界の漂白。どっちが良いか、よくよく考えて付く方決めて?」




