第13話 まだやる事と謎は残りますね。
短い戦闘をしたあの部屋に戻ってきていた。
スッキリした顔の兄さんも。あの人がどうなったのかは聞かない。聞けない。ルスでさえ兄さんを見て「あはは」って言ったきりさっきのことは口に出さない。だから私も賢明な判断をする。
「教皇には逃げられた。追いつくはずだったのに消えたっていうか……。私が見逃した通路があったのかも。ごめん……」
「はぁ!?なんだそ────」
「あんな沢山やってくれた後だし、気にしないで」
兄さんが戻ってきて少しした後にシーナとルフトは戻ってきた。それまでずっと追いかけ探してくれたってことだよね。感謝。
シーナが色々やってくれてるから助かってる部分もあるんだし、さっきの戦闘だって充分以上に活躍してくれてた。本気でかかってくる相手に手加減して無力化するなんて難しいことしてくれたんだもん。しかも、誰も何も言ってないんだよ、殺すなとか。
「うぅ……女神が女神だ……ありがとうございます……報われました……」
「……ふん。普通ならあり得ないからな」
「そんなの私が1番わかってますぅー」
兄さんはもう少しシーナを労ってあげていいと思う。
「とりあえず残っている“否定派の仲間”とやらを殲滅しに行くべきだと思いますが。憂いは全て消し去るべきです」
「もうひと暴れできる?どこへ行けばいいのかしら?すぐに行けるわ!」
そうなんだよね、これで終わりじゃない。
もしシーナが教皇連れてきてたとしても、残った人たちはまだまだいるわけだし、ルス教に追われなくなっただけで世界の闇への認識は変わらない。ついでに『銀髪の女が闇属性で暴れて逃げている』という情報だって消えない。まだ男装しなくちゃならんのか。
怖いね、ルス教ネットワーク。ナメたらいけない。
「それもそうだな。よし、じゃあ二手に分かれよう。コイツらの対処と、残党狩りと。俺は残る」
「私はもちろん行くわ!」
「お伴します」
「ん、じゃあ私も行く。るーくん、女神のこと頼んだからね」
「あ、私も行きます!」
セネル、エスペラール、シーナ、ミーシャの4人が行く。
なら私は残る人かな。……何も動いてないのにいいのかな?
「……ふっ、仲間の居場所なんて見つけられないさ。そこの神の力さえ及ばない場所だ。最高の結界で隠してある。見つける前に反撃開始だ」
「…………ふむ。おかしな所を探せば見つけられそうかな?見つけたらそれはそれでボクに不利なことになりそうだけどね。……大体予想できているよ。ボクの力が及ばない、ねぇ……」
神否定派の拠点を見つけてルスが不利になる。
弱体化とか?もうそこに教皇がいるのなら本当に不利だね。教皇ならルスを倒せるんでしょ?
ていうかそもそもなんでルス教はルスを信仰するのにそのルスを殺そうなんて発想が生まれたんだろう?なんで神否定派だなんて……。わけがわからないね。
ここまで話数が増えてくるとだんだん読まれなくなりますね……まさかここまで続くとは思わなかった……最初から残ってくださっている方は果たして何人いるのか……




