表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
隠し攻略ルートは悪役の私!? 〜乙女ゲームの悪役に転生しましたがヒロインから女神と崇められています〜  作者: 絡鎖
第3章 悪役の私の兄が世界的な宗教をひっくり返す。(予定)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

158/251

かつて見たそれは

短いです

またローズではない別の人視点

真っ白な髪。


それは老人に見られるようなパサついたものではなく、瑞々しく艶めき、虹色の光を含むうつくしいものだった。


長い髪。背を、腰を隠すほどに長い髪が風に包まれふわりふわりと、まるで生きているかのように浮かんでいる。


うつくしいひと。


薄っすらとした笑みを浮かべ、空を写した水面のような不思議な色の瞳をこちらに向けている。


『美しい世界…………ボクは、そう思うんだ。この世界は美しい。儚く、たくさんの夢が詰まっていて……ねぇ、キミはどう?美しいと思ってくれるかな?』


はい──と。そう返した。


ただそれは、問い掛けの答えではなくそのひとに対する想いだった。


うつくしく、浮世離れしたひと。幼い自分はそのひとに恋をしていた。なんとも恐れ知らずなことで。


『────ありがとう。その言葉はとても嬉しい。お陰でこれからも、このまま、頑張れる』


僅かに目を伏せ、どこか憂いを帯びた表情でそのひとはそんなことを言った。煌めく虹の光を含むその白い髪も、影が混じっているように思えた。


その言葉、その態度で自分は確信した。


自分がすべきことを。


このひとを救うんだ。


自分が、救う。


必ず。




恋に溺れ、沈み込む。浮かぶつもりはない。これは良いこと。


ただ一つあの虹色の光だけを目に留めて、進むだけ。







●●







厳か……というよりそれを通り越して薄気味悪いな。


でも仕方ないか。これ以上のものは準備できなかった。上が渋るから。


渋る必要が全く感じられないのになぜ渋ったんだろうか。ああどうせ一度きりのこと、成功したとしてすぐに殺すものだからと思っているからだろうね。


そうはさせないけれど。


この時を何年待っていたことか。ずっとずっと待ち望んでいた。


美しさは敵わないけれども、充分に綺麗だと思う。長い髪は正反対の暗い色だけれど、夜空を切り取ったかのような髪はあのひとに相応しい。


上の望みは信仰対象を概念ではなく、存在するものにしたい……ということではない。


この世界に君臨したい。この世界を管理したい。


そのためには管理者を無くさなければならない。管理者、神を。信仰する神を消さなければならない。


あぁ、あぁ!なんと愚かな!


神を手にかけるなど畏れ多い!なぜそのような考えができるのか!理解に苦しむよ。


俺は俺のしたいことをする。


どうせこれが成功すれば宗教など意味を成さなくなる。彼らがしていることも、意味がなくなる。


後少し。後、少しで解放できる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ